ライフ

能條純一氏が『哭きの竜』新作に寄せた“竜”への特別な想い

能條純一氏の特別な想いとは(『哭きの竜~Genesis~』より)

「あンた 背中が煤けてるぜ」──1985年に『別冊近代麻雀』誌上で連載を開始し、バブル期の雀荘では誰もがその真似をしたという伝説の麻雀漫画『哭きの竜』(能條純一・作)。裏社会の抗争激化の最中、新宿・歌舞伎町に舞い降りた麻雀打ち“竜”は、人の生死にかかわることなく、麻雀というギャンブルの舞台で、ただ哭き、ただ勝ち上がった。

 1990年に竜の生死不明で作品は完結。2005年『近代麻雀』誌上にてさらにヒートアップした舞台と卓越した画力を存分に見せつける『哭きの竜 外伝』が始まり、2010年にその幕を閉じた。

 その最新シリーズとして復活したのが、『哭きの竜~Genesis~』(全1巻)だ。舞台は現代、新宿・歌舞伎町──関東進出を果たした関西共武会と、それに対していたはずの関東を牛耳る桜道会との関係が微妙に変化する。裏社会で今も伝説となる男・竜は、実在するのか? 雑誌ライター・水戸を語り部に、新作の物語は始まる。

 著者の能條純一氏は、新作発売にあたり、こんなコメントを寄せている。

「今回の新作はビッグコミックオリジナルで掲載になりました。タイトルを考えているとき新たに竜を描くなら、“創世記”を意味するGenesisをつけたいと思ったんです。

 こういうことを言うと語弊があるかもしれませんが、僕は自分がこれまで描いた作品を忘れるようにしているんです。日頃から過去をあれこれ振り返らないようにしています。それなのに、竜だけは描けてしまう。僕の原点であり、助けてもくれる……こんなに強烈なキャラクターはいないんですよ」

 作者をも取り込み魅了する寡黙な竜はもちろん、男の色気とはこういうものだ、ということを見せつける世界観──間違いなく、唯一無二の存在である。


■能條純一氏による伝説の麻雀漫画『哭きの竜』シリーズ。その最新シリーズ『哭きの竜~GENESIS~』(全1巻)第1話を読む。

関連キーワード

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
女性セブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン