国内

花火、縁日、ベランダ…子供の命を奪うかもしれない夏の危険

夏の危険から子どもを守るには?

 1才以上の子供の死亡原因第1位は、“不慮の事故”。この状況は1960年代から変わらない、と言うのは、Safe Kids Japan理事長で、小児科医の山中龍宏さん。

「事故が起きると“注意が足りなかった”“親の責任だ”という人がいますが、どれだけ気をつけていても事故は起きるもの。だから、未然に事故を防ぐ環境を整えることが重要なのです」

 日常的な風景にも危険は潜んでいる。たとえば、夏の花火。過去にはローソクの火が浴衣の裾に燃え移り、死亡するという痛ましい事故も起きている。花火などで火を使う時は、風になびくような服は避け、体にフィットするものを着せること。そして、必ず大人が付き添い、水をそばに置くのが鉄則だ。

 夏祭りの縁日の綿菓子やりんごあめなど“割り箸に刺してある食品”も注意したい。子供はよく転ぶので、割り箸付きの食品は座って食べるように習慣づけて。また、車中で食べるのも×。急ブレーキをかけた時や、追突された場合、その衝撃で割り箸が喉に刺さる危険がある。

 ミニトマトをカットして子供に与える親は多いが、盲点となるのはベランダ菜園。子供が自分でもいで丸ごと食べたものが喉に詰まり、窒息するケースも。食品以外にもスーパーボール、ビー玉など、子供がひと口でのみ込めるサイズのものは触らせないで。

 2010年に産業技術総合研究所が子供の日常空間にカメラを入れて、転ぶ時間を割り出したところ、子供が転び始めてから、転ぶまでの平均時間は0.5秒だった。人間の視覚の反応速度は最速で0.2秒といわれているから、子供の転倒を防ぐ時間は、0.3秒しかないことになる。0.3秒では1m先にいる子供の転倒ですら、防げない。それゆえ、事故に備える意識と環境づくりが重要だ。

※女性セブン2017年8月3日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
昨年ドラフト1位で広島に入団した常広羽也斗(時事通信)
《痛恨の青学卒業失敗》広島ドラ1・常広羽也斗「あと1単位で留年」今後シーズンは“野球専念”も単位修得は「秋以降に」
NEWSポストセブン
中日に移籍後、金髪にした中田翔(時事通信フォト)
中田翔、中日移籍で取り戻しつつある輝き 「常に紳士たれ」の巨人とは“水と油”だったか、立浪監督胴上げの条件は?
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
新たなスタートを切る大谷翔平(時事通信)
大谷翔平、好調キープで「水原事件」はすでに過去のものに? トラブルまでも“大谷のすごさ”を際立たせるための材料となりつつある現実
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン