しかもこの法律には罰則規定が設けられていない。あくまで民事ルールとして定められたもので、違反した企業に刑罰や行政処分は下されません。内部告発者が不利益を被った場合、裁判を起こして争わないといけないわけです。
米国の公務員を守るホイッスルブロワー法は通報者への一切の報復的人事を禁じていますが、日本でそういった法制度はありません。今でも、日本は「内部告発者が守ってもらえない国」です。告発にあたっては、私のように“人生を奪われるリスク”を覚悟しなければならないのです。
※週刊ポスト2017年8月4日号