「Jアラート発令からミサイルが北海道を抜けるまで約4分あったと考えられています。その間に取れる防御策はあります。

 着弾地点からどれくらい距離が離れているかでリスクは違いますが、半径1km程度の範囲を想定した場合、直撃や衝撃・爆風による被害を避けるために室内にいる時はドアや窓を全部閉め、雨戸やカーテンなども閉じる。エアコン、換気扇のスイッチも切り、ドアや窓ガラスから離れること。

 屋外にいたなら、近くにビルや地下街、地下室があればそこに避難する。なければ樹木などの根元で姿勢を低くして爆風や衝撃に耐える用意をする。この4分の行動が、生死を分ける可能性もあります」

 近くに身を隠せるような木々もない場合はどうすればいいのか。危機管理が専門の青森中央学院大学教授の大泉光一氏がいう。

「国境を接するパレスチナから武装勢力による迫撃砲攻撃などに日夜さらされているイスラエルでも、Jアラートのような警報装置があり、同じようにミサイル着弾までの数分前に鳴る。そんなわずかな時間で取るべき自己防衛術が国民に周知されています。

“地面に伏せて頭を守る”という避難法です。シンプル過ぎて無防備に見えるかもしれませんが、致命傷を免れる確率は高まります」

 頼りにならないJアラートとはいえ、“その程度のことしかできない”と考えるか、“わずかでもできることがある”と考えるか。

※週刊ポスト2017年9月15日号

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