政治評論家・屋山太郎氏は、「その政治家が政党を変わることに筋が通っているかを見極める必要がある」と説く。
「分かりやすいのは憲法9条や安全保障に対する考え方です。たとえば、民進党で9条改正に反対していた護憲派の議員が改憲論の小池新党に合流するのは議席を守るために筋を曲げたと見られても仕方がない。しかし、民進党で9条改正を主張していた議員が、党に残っても意見がまとまらないからと小池新党に参加するのであれば、これは政治理念に従った行動と見ることができる」
今回の総選挙では、小池新党「希望の党」に野党第一党の民進党議員が左右両派から大挙して乗り移るという空前の政党渡りの動きが出現した。
「当選しても、必ず希望の党の内部で憲法改正をめぐる路線対立が起きる」(民進党からの合流予定者)
それこそ究極の政治のモラルハザードなのだ。
※週刊ポスト2017年10月13・20日号