また、チベット高原下流域でも洪水によって、大規模な土砂崩れが起こり、多くの被害が出ている。例えば、今年6月24日早朝、中国四川省アバ・チベット族チャン族自治州茂県で、山の一部が崩れて大規模な土砂崩れが発生、死者10人、土砂に埋もれたとみられる90人以上が行方不明となった。
地元住民は、同地域は土砂崩れの多い地域ではあるがこれほど大規模なものは「前代未聞」と話しており、40戸以上の民家が土砂に飲み込まれたという。
中国科学院環境物理研究所の厳仲衛所長は自身の論文で「ここ数年、雪解けが年々早くなってきており、それがこれまでの大規模な洪水や干ばつの発生パターンを変える原因になっている。このため、自然災害の予測が付きにくくなっており、多くの人々や家畜、動物に大きな影響を与える結果を招いている」と指摘している。