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医学界で注目浴びる「血圧サージ」 最悪の事態起こる可能性

医学界で注目を浴びているのは「血圧サージ」とは

 医学界で注目を浴びているのは「血圧サージ」という耳慣れない言葉だ。「サージ」とは英語で「波が押し寄せる」という意味である。

 日本高血圧学会のガイドラインでは、上(収縮期)の血圧が140mmHg以上、下(拡張期)が90mmHg以上で高血圧と基準が示されている。しかし正常値の範囲にある人であっても、瞬間的に180mmHgほどにまで血圧が急上昇することがある。これが「血圧サージ」だ。

 この概念を提唱したのは、自治医科大学教授の苅尾七臣氏だ。同教授らが平均年齢72歳の高血圧患者519人を対象に行なった41か月の追跡調査によれば、夜間の最低血圧と起床後2時間の最高血圧の差が55mmHg以上開いていた53例の患者は、それ以外の466例に比べて脳卒中発生率が2.7倍高まったという。

 同教授の別の調査では、平時の血圧が130mmHg未満で、起床後の血圧が145mmHg以上に上昇する患者は、起床後の血圧が125mmHg未満の患者に比べて、心筋梗塞のリスクも2.47倍高まるという結果も出ている。南三陸病院副院長の西澤匡史医師が説明する。

「慢性的な高血圧患者の場合、動脈硬化が進んでいき、徐々に血管が詰まっていくことで脳血管疾患を引き起こす。

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