「契約時に『入居一時金もきちんと保全されます』という説明を受けたのですが、いざ倒産したら、保全の手続きがされていないことがわかりました」
そうした場合、仮に施設を出るとなっても、一時金の未償却分は返ってこないことになる。介護トラブルに詳しい外岡潤弁護士が解説する。
「保全は義務ですから高橋氏のケースは法律違反。このホームの場合は、立ち上げ当初は保全の手続きをしていたが、入居者が増えるにつれて保全にかかる費用を惜しんだのか、登録を怠っていたようなのです」
全国有料老人ホーム協会によれば、こうした一時金の保全措置を取っていない施設が、全国に264施設あるという。
※週刊ポスト2017年11月10日号