「1階にクリニック、2、3階に居室、4、5階に食堂という作りのサ高住の場合、食事介助は介護保険で賄われますが、2階の居室から4階の食堂に連れていくほんの10分ほどの介助は『別料金』ということが起こります。食事介助の付随行為としてカバーされることもありますが、細かい部分は施設によって“解釈”が違うのが現状です」
一方、介護付き有料老人ホームの場合は、基本的には要介護5までの介護サービスがパッケージ料金になっているが、それでも追加料金が発生すると前出・佐藤氏は言う。
「病院の送り迎えはパッケージ料金に含まれていますが、病院に入ってからの付き添いは30分単位でお金がかかります。介護度が高まれば、排泄の失敗も頻繁になり、洗濯やベッドのシーツ交換も増えますが、それらも一定の回数を超えると追加料金が発生する施設もあります。
さらに紙おむつ代は実費負担なので、使う回数が増えればそれだけ費用はかさむ。
『食べる』『排泄』といったことは削ることはできません。将来の体の状態によって、毎月数万円は別途料金がかかる可能性があるのです」
“追加料金破産”しないよう、追加負担の具体例が細かく記されたホームの「重要事項説明書」を確認しておこう。
※週刊ポスト2017年11月10日号