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人呼んで「七条楽園」にある京都らしくない広い間口の角打ち

安くておいしい飲食店が点在する地域の中でもとりわけファンの多い店だ

 今回の角打ちの舞台は、錦繍で彩られた秋の京都。
 
 七条通(しちじょうどおり)を西へ向い、北へ上がればやがて北野天満宮へと通じる御前(おんまえ)通と交差する。その西南角にあるのが『橋本酒店』だ。
 
 あたりには、京都市中央卸売市場第一市場が近いこともあり、鮨屋、ラーメン店、食堂など、安くておいしい飲食店が点在している。そのため、人々は愛をこめて「七条楽園」と呼ぶ。
 
 この店も、もちろんその楽園仲間に数えられている。
 
「“間口が狭く、奥行きが深い”というのが京都の町家のイメージでしょ?ここは、間口がものすごく広くて、らしくない。誰でもどうぞって感じですごく入りやすいんだ」(60代、惣菜店店主)
 
「ご主人夫婦(橋本勝彦さん・73歳と淑子さん)がね、私たち客の後を追いかけるように掃除してるのかと思えるほど、きれい好きなんですよ。それに、やさしくて話上手。だから、いつも気持ちよく飲める。それがうれしいんです」(60代、西陣織販売商)

「京都で一番安く飲める店だよと仲間からの口コミがありましてね。来てみたら正解ですよ。それにプラスして、楽しい客ばかりで。普通なら自分と絶対に縁がないような業種や年齢の人たちと、いつも楽しく飲んで、語ってます」(40代、会社員)

 と、常連客がそれぞれにこの“楽園の店”の一番の魅力を挙げてくれた。

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