実はクセーニア氏の父のアナトーリ氏は、レニングラード大学法学部の教授で、同大学出身のプーチン氏の恩師に当たる。アナトーリ氏が大学教授から市長選挙に当選すると、KGB職員だったプーチン氏を副市長に抜擢し、政治家への階段を昇るきっかけを作った人物である。いわば、クセーニア氏はプーチン氏にとって恩人の娘なのである。
そのクセーニア氏が大統領選への立候補を表明したことに、ロシアでは本気度が疑われている。
「世論調査では彼女の出馬表明について『売名目的』との回答が60%近く、『大統領になるため』との回答はわずか4%。彼女を“当て馬”にして大統領選挙の体裁を整えた、と見る人は少なくない」(同前)
プーチン氏の思惑どおりということか。