国内

飼育放棄が最も多いのはイグアナ、最近はミーアキャットも

ミーアキャットは単体で飼うとストレスに(Ph:Thinkstock/Getty Images)

 小動物や鳥、爬虫類などを専門に治療する、みわエキゾチック動物病院院長・三輪恭嗣さんのもとには、ブームの後、「飼えなくなったので引き取ってほしい」と飼い主が相談にくるケースがこれまでもあったという。

「いちばん多かったのがイグアナです。数千円という安価で手に入り、最初はトカゲ程度の大きさだからです。しかし、成長すると約2mになる場合も。“こんなに大きくなるなんて知らなかった”と、飼育放棄する人が多かったです」(三輪さん、「」内以下同)

 さらに、最近相談が多いのが少し前に流行したミーアキャット。かわいい見た目とは裏腹に、肉食動物ゆえの凶暴な一面もあるからだそう。

「流行の動物ほど、正しい情報も持たず、“かわいいから”とか“飼ったらおしゃれ”といった安易な気持ちで手を出す人が多い。想像と違うからといって手放す理由にはなりません」

 あとは人気急上昇中のハリネズミも安易に飼うことはできない。飼育本や専用フードも販売されているが、警戒心が強くて人に懐なつきにくく、夜行性で夜中うるさいという側面もある。そうしたことも踏まえた上で飼うかどうかを検討すべきだといえるだろう。

 飼い始めたら最期まで看取るのが飼い主の責務。しかし、前述のように「飼えない」と動物病院に引き取りの相談にくるケースは多い。

「動物病院では里親募集のチラシを貼るなどの協力はできますが、引き取りはできません。飼えなくなった場合は、里親募集サイトに登録したり、販売店(購入先)に相談するなど、飼い主として最低限のことはしましょう」

 さらに、絶対やってはいけないのが、飼育放棄と野外放置だ。実際、鳴き声がうるさいからと真っ暗な部屋に押し込めたり、餌を与えないケースも。また、野外に放つことを、自然に返すことだと勘違いしている飼い主もいるが、これは、生態系を壊すだけでなく、大繁殖を招く恐れがあるので、絶対にしてはいけない。

 流行のペットを最期まで責任をもって飼うために、最低限知っておくべきことがある。

「ポイントは、食事・住まい・大きさの3つ。どんな環境で暮らし、何を食べているのかを知る。そして、成長したらどれくらいの大きさになるかを調べましょう」

 最近は、イグアナブームを教訓に、成長後の大きさを示すために親(成体)と一緒に展示して販売するショップも増えている。さらに、専用フードの有無もペットとして飼いやすいかどうかの判断材料になるという。

「専用フードがある=需要があるということ。飼育技術が確立されているという判断基準となり、飼育情報も得やすい。特殊な動物の飼育にはそれなりの知識と経済力が必要ということを絶対に忘れないでください」

※女性セブン2018年1月4・11日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

NBAレイカーズの試合観戦に訪れた大谷翔平と真美子さん(AFP=時事)
《真美子夫人との誕生日デートが話題》大谷翔平が夫婦まるごと高い好感度を維持できるワケ「腕時計は8万円SEIKO」「誕生日プレゼントは実用性重視」  
NEWSポストセブン
被害者の村上隆一さんの自宅。死因は失血死だった
《売春させ、売り上げが落ちると制裁》宮城・柴田町男性殺害 被害者の長男の妻を頂点とした“売春・美人局グループ”の壮絶手口
NEWSポストセブン
元夫の親友と授かり再婚をした古閑美保(時事通信フォト)
女子ゴルフ・古閑美保が“元夫の親友”と授かり再婚 過去の路上ハグで“略奪愛”疑惑浮上するもきっぱり否定、けじめをつけた上で交際に発展
女性セブン
突然の「非常戒厳」は、国際社会にも衝撃を与えた
韓国・尹錫悦大統領の戒厳令は妻を守るためだったのか「占い師の囁きで大統領府移転を指示」「株価操作」「高級バッグ授受」…噴出する数々の疑惑
女性セブン
12月9日に亡くなった小倉智昭さん
小倉智昭さん、新たながんが見つかる度に口にしていた“初期対応”への後悔 「どうして膀胱を全部取るという選択をしなかったのか…」
女性セブン
六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《山口組の「事始め式」》定番のカラオケで歌う曲は…平成最大の“ラブソング”を熱唱、昭和歌謡ばかりじゃないヤクザの「気になるセットリスト」
NEWSポストセブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
無罪判決に涙を流した須藤早貴被告
《紀州のドン・ファン元妻に涙の無罪判決》「真摯に裁判を受けている感じがした」“米津玄師似”の男性裁判員が語った須藤早貴被告の印象 過去公判では被告を「質問攻め」
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン