国内

裏DVD販売店が都内から消滅も、さらに地下に潜る悪循環

歌舞伎町の店を最後に都内から販売店はなくなったが…

 11月末、無修正のわいせつDVDなどを販売していた歌舞伎町の5店舗が警視庁保安課の摘発を受け、わいせつDVD約57万9千枚(販売価格約2億円)が押収された。一度の押収量としては過去最大で、この摘発によって東京都内にわいせつDVD販売店は消滅した。ネット経由でコンテンツ購入するのが当たり前になりつつあった今、DVDはどのような人たちが購入していたのか。販売店が消滅しても、これらの販売業は継続されるのか、ライターの森鷹久氏がリポートする。

* * *
「やっと”殲滅”です。ウン十年という、捜査員と幹部、我々の地道な取り組みが身を結んだのだと感無量です」

 全盛期には200店以上あったという、東京・歌舞伎町の裏ビデオや裏DVD店が完全に消えて無くなったと、テレビや新聞といった大メディアも続々と報じ、警視庁関係者も胸を張った。では件の裏DVD業者側はどうなのか。

 音楽CDや映画などのDVDがそうであるように、販売手段が主にネット上に移行したとも簡単に推測できるとしても、やはり同様に違法ダウンロード等(裏ビデオ自体も違法だが)による視聴が増えたことで、売り上げが低下し、制作はもちろん、販売体制の縮小を迫られている、そんな現実があるのではないか。

 平成十年代から歌舞伎町の裏ビデオ販売店「Y」で販売員を経験し、現在はネット上であらゆる映像作品を販売する業者を経営しているという、関東地方在住の大迫太郎氏(仮名)が、アンダーグラウンドな業界の今を解説する。

「以前は裏ビデオ販売店の実店舗もある程度の需要はありました。ただ、当局の取り締まりがきつくなってきて、おおっぴらに売れなくなった。中でも苦労したのは、客をどうやって店に連れてくるか。客引き、キャッチまでもが禁止され、店と客の接点が作り出せない。中高年の馴染み客だけじゃどうにもならずネット販売するも、当初は顧客がつかなかった」(大迫氏)

 ネットによる販売数が増えだしたのはこの10年ほど。しかし増えてはいても、実店舗で秘密裏に取り扱っていた表には出せない、違法性の極めて高い作品をネット上で販売すれば、すぐに足がついてしまう。そこで大迫氏らが考えたのは、様々なジャンルの映像作品をネット販売しつつ、顧客の嗜好を読み取りながら、個別に「案内」する、という方法だ。

「裏ビデオ店時代のノウハウをそのまま踏襲したと言ってよい販売方法でしょう。裏モノではないDVDやイメージビデオの購入者に、個別にDM(ダイレクトメール)を送って”裏作品”やより過激な作品の存在を仄めかすのです」(大迫氏)

 DMを送りつけた客のうち、その半分程度からはなんらかの反応があり、2~3割が実際に購入し、そのほとんどが「馴染み客」になるとも説明する。また、これらの購入者は業者間で即座にリスト化され、共有される。「裏ビデオ購入者」としてこのリストに掲載されてしまうと、毎日のように、あらゆる業者からひっきりなしにDMが届き、場合によっては詐欺などに用いられることもあるという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
どんな演技も積極的にこなす吉高由里子
吉高由里子、魅惑的なシーンが多い『光る君へ』も気合十分 クランクアップ後に結婚か、その後“長いお休み”へ
女性セブン
『教場』では木村拓哉から演技指導を受けた堀田真由
【日曜劇場に出演中】堀田真由、『教場』では木村拓哉から細かい演技指導を受ける 珍しい光景にスタッフは驚き
週刊ポスト
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
各局が奪い合う演技派女優筆頭の松本まりか
『ミス・ターゲット』で地上波初主演の松本まりか メイクやスタイリングに一切の妥協なし、髪が燃えても台詞を続けるプロ根性
週刊ポスト
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン