ビジネス

売れないと言われたホットアイマスク 35万台ヒットの背景

アテックス『ルルド めめホットチャージ AX-KX511』(5292円)

 疲れ目の増加で、人気が高まるアイケアグッズ。そんな中、充電式で繰り返し使える、アテックスのホットアイマスクが女性を中心に飛ぶように売れている。累計出荷台数35万(※2017年12月現在)台以上。ヒットの背景には、ブランド始動時から変わらない、女性ならではのこだわりがあった。

 アテックスの「ルルド」は、20~40代女性をターゲットとしたマッサージアイテムのブランド。その始まりは、2009年に女性開発チームにより誕生した、見た目はクッション、機能は本格派という、これまでにない“インテリアになじむマッサージャー”だった。

 当時の開発担当や営業担当は、ほぼ男性。マッサージ器だとわかりにくく、温めて揉むだけの製品では「売れない」と言われ続けた。しかし、自分たちが欲しいものは同年代の女性にも需要があるはず、と開発チームは社内の女性にアンケートをとり、試作を繰り返し、1年後ついに製品化にこぎつけた。

 最少ロットの2700台からスタートしたルルド マッサージクッションは口コミで一気に広まり、翌年12月には出荷台数が月30万台を超え、「ルルド」は一躍、主力ブランドとなり、カジュアルに使えるマッサージアイテムが多数誕生することになる。

 その1つが、2013年発売の『めめホット』だ。一見は普通のアイマスクだが、目の当たる部分にヒーターが配されており、電源を入れると、目元を約41℃でじんわりと温めてくれる。エアバッグで刺激する『めめエア』と、スチームで潤す『めめスチーム』を含む3種類を展開した中で、『めめホット』は一番人気だった。ホットアイマスクは使い捨てか、レンジで加熱するものが一般的だったため、手軽かつ繰り返し使える点が、スマホの普及拡大で疲れ目に悩む女性たちにウケたのだ。

 女性ならではのこだわりもヒットの要因だろう。例えば、携帯ポーチを付属することで、旅行やオフィスへも持ち運びやすくした。本体カバーは洗えるため、アイメイクで汚れても安心だ。パッケージにねこのキャラクターを入れ、ギフト需要もうまく取り込んだ。2015年には、電源を単3形アルカリ乾電池からリチウムイオン充電池へ変更し、ヒーターがすぐ立ち上がるように改良した『めめホットチャージ』へリニューアル。

 また、昨年10月には、目に当たる部分にヒアルロン酸を配合した美容繊維を使用した『ルルド めめホット チャージビューティ』と、テレビやスマホを見“ながら”ケアができる『ルルド めめホットキャット』を発売するなど、流行を取り入れた展開で、女性の心を掴み続けている。

 昨年1月からは、インバウンドの観光客を中心に売り上げが伸びているという。購入者がSNSへ写真を上げることでさらに認知度が高まり、今ではインテリアショップや家電量販店のほか、ドラッグストアでも購入することができる。5000円前後と価格も手頃で、身近なアイテムだ。日ごろ頑張っている自分へのご褒美として手に取ってみてはいかが?

※女性セブン2018年1月18・25日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんの役目とは
《大谷翔平の巨額通帳管理》重大任務が託されるのは真美子夫人か 日本人メジャーリーガーでは“妻が管理”のケースが多数
女性セブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
雅子さまは免許証の更新を続けられてきたという(5月、栃木県。写真/JMPA)
【天皇ご一家のご静養】雅子さま、30年以上前の外務省時代に購入された愛車「カローラII」に天皇陛下と愛子さまを乗せてドライブ 普段は皇居内で管理
女性セブン
稽古まわし姿で土俵に上がる宮城野親方(時事通信フォト)
尾車親方の“電撃退職”で“元横綱・白鵬”宮城野親方の早期復帰が浮上 稽古まわし姿で土俵に立ち続けるその心中は
週刊ポスト
殺人未遂の現行犯で逮捕された和久井学容疑者
【新宿タワマン刺殺】ストーカー・和久井学容疑者は 25歳被害女性の「ライブ配信」を監視していたのか
週刊ポスト
本誌『週刊ポスト』の高利貸しトラブルの報道を受けて取材に応じる中条きよし氏(右)と藤田文武・維新幹事長(時事通信フォト)
高利貸し疑惑の中条きよし・参議院議員“うその上塗り”の数々 擁立した日本維新の会の“我関せず”の姿勢は許されない
週刊ポスト
東京駅17番ホームで「Zポーズ」で出発を宣言する“百田車掌”。隣のホームには、「目撃すると幸運が訪れる」という「ドクターイエロー」が停車。1か月に3回だけしか走行しないため、貴重な偶然に百田も大興奮!
「エビ反りジャンプをしてきてよかった」ももクロ・百田夏菜子、東海道新幹線の貸切車両『かっぱえびせん号』特別車掌に任命される
女性セブン
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン
高橋一生と飯豊まりえ
《17歳差ゴールイン》高橋一生、飯豊まりえが結婚 「結婚願望ない」説を乗り越えた“特別な関係”
NEWSポストセブン
雅子さま、紀子さま、佳子さま、愛子さま 爽やかな若草色、ビビッドな花柄など個性あふれる“グリーンファッション”
雅子さま、紀子さま、佳子さま、愛子さま 爽やかな若草色、ビビッドな花柄など個性あふれる“グリーンファッション”
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 岸田首相の脱法パーティー追撃スクープほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田首相の脱法パーティー追撃スクープほか
NEWSポストセブン