草津温泉は箱根に比べ旅館の経営規模も小さく、打撃はより深刻になる。すでに草津の旅館関係者は「いくら安全だと訴えても、客足は遠のく。リストラもやむをえなくなるだろう」と肩を落としている。
ただ、これを“風評被害”と断じるのは早計だろう。2014年に起きた御嶽山の噴火では、秋の紅葉シーズンに足を運んだ登山客58人が犠牲となった。2週間前から火山性地震が増加するという“予兆”があったが、警戒レベルが事前に引き上げられることはなかった。
予知に限界があるのは致し方ないが、観光客が集まる場所・季節だからこそ、「リスクを過小評価してはならない」という教訓が残された。
だからこそ高橋氏は「警戒レベルが1でもゼロでも、兆候と考えられる動きがあれば広くアナウンスされるべき」との姿勢を取る。
※週刊ポスト2018年2月9日号