国内

珍名誕生の背景 明治にはトンチ名字や自分で改姓もOK

珍名が誕生したワケは?

 日本には約13万種もの名字があるというが、名字の由来でいちばん多いのは地名によるものだと、名字研究を45年以上続けている高信幸男さんは言う。

「住んでいた地名を名字にするパターンが8割。残りの2割は殿様などから恩賞としていただいたり、職業を名字にしたり。それでほぼ100%なのですが、ほんの一部、トンチを利かせた名字があるのです」(高信さん・以下同)

 明治8年に『平民苗字必称義務令』が国から公布され、すべての国民に名字を名乗ることを義務付けた。ほとんどの人は、先祖から受け継いだ家名を登録したが、この時に名字を変えた人がいたという。

「国は戸籍を作ることが第一目的。そのため、届けさえ出せば先祖代々の名字でなくても、役所は受け付けてくれたのです」

 ではこの時、どんな名字が生まれたのだろうか。

「まずは、名字の読み方は変えずに、文字だけを変えた人。例えば、小鳥遊(たかなし)という名字が和歌山県にありますが、もともとは高梨という文字でした。

 しかし、役所に届ける時に“もし鷹がいなければすずめなどの小鳥が安心して遊んでいられるのに”という思いから、トンチを利かせて小鳥遊と書き、見事に受理された。このようにユーモアにあふれた発想もありました」

 2つ目は、好みの名字をつけたパターン。例えば、山田さんが、「伊集院」と届けを出しても、この時はOKだったそう。その他、時代とともに難読となった名字もある。

「“台”と書いて“うてな”と呼ぶ名字がありますが、もともとは奈良時代の言葉。昔の人は当然のように読めたのですが、現代人は読めない。そんな珍名さんも存在します」

 さすがは13万種類もある日本の名字。なんとも奥が深い。

※女性セブン2018年2月8日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
どんな演技も積極的にこなす吉高由里子
吉高由里子、魅惑的なシーンが多い『光る君へ』も気合十分 クランクアップ後に結婚か、その後“長いお休み”へ
女性セブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
『教場』では木村拓哉から演技指導を受けた堀田真由
【日曜劇場に出演中】堀田真由、『教場』では木村拓哉から細かい演技指導を受ける 珍しい光景にスタッフは驚き
週刊ポスト