日本の場合、今は役人がアナログなシステムの中で「忖度」や「裁量」の余地を作り、さも自分たちが仕事をしているかのように見せかけているが、AIを活用すれば、彼らの仕事は、ほとんどすべてなくなってしまうのだ。

 たとえば建築確認申請は、これから建てようとする建築物が建築基準法をはじめとする建築関係法令に適合するか否かということ以外には、上下水道管、ガス管、電話線、地下鉄といった埋設物の問題だけである。それも水道局、ガス会社、NTTなどと連携して情報を共有すればよいだけの話だから、データを入れておけば一瞬にして答えが出る。

 実際、シンガポールでは、CAD(コンピューター支援設計)で作った図面をネットで送ればOKかNOか、NOの場合はどこを直せばよいかという指示がすぐに返ってくる。要するに、「自治」のない地方自治体の役人の仕事にクリエイティブな領域はないのである。

 たとえば待機児童問題の解決策も、役人が考えるより、AIに任せたほうが手っ取り早い。そもそも待機児童が減らない最大の原因は、幼稚園と保育所の職員配置や施設設備などに関する基準が基本的に全国一律で、地方自治体によっては厳しすぎるからだ。

 そういう基準は地域の実情に応じて変えるべきであり、その地方自治体の待機児童をゼロにするためにはどのような方法があるのか、最適解は何かということをAIで導き出せばよいのである。たとえば、子育てが終わった老夫婦の(庭付き一戸建ての)自宅を託児所などにすることができれば、問題は一挙に解決する。

 あるいは、同級生によるいじめや先生によるパワハラの問題も、AIのディープラーニング(コンピューターに自動で学習させる手法)で対応可能だ。全国の学校の過去の事例をコンピューターに入れておき、似たような事例を調べてAIに的確な対処法を聞けばよいのである。前述したように、地方自治体には法律上の自由度がないのだから、似たような事例を探して参照すれば、それで大方の問題は解決できるのだ。

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