キャンピングカーの売り上げが右肩上がりで伸び続けている。キャンピングカーを製造するメーカー、ディーラーが加盟する日本RV協会によると、国内におけるキャンピングカーの総保有台数は2016年に10万台を突破。2005年の5万台から10年あまりで倍増している。
その中心を担うのが中高年層である。同協会のユーザー調査では、60代が38.8%と最も多く、50代が30.7%、70代(5.8%)も含めると、実に7割以上を占めている。購入動機も、「夫婦2人で旅行を楽しむため」が49.5%でトップ、「子どもたちと楽しむ」(23.5%)を大きく引き離している。
キャンピングカーは大別すると3種類。最も人気が高いのが、ハイエースなどのバンがベースの「バンコン」(バンコンバージョン。300万円前後~)、より居住性を高めたカムロードなどのキャブ車がベースの「キャブコン」(300万円台後半~)、近年急増しているのが軽自動車ベースの「軽キャンピングカー」(150万円前後~)である。
国産高級セダンを購入することに比べれば貯蓄や家計を圧迫しない価格なので、キャンピングカー購入のハードルは決して高くない。日本RV協会の矢久保達也事務局長がユーザーの動向について語る。
「キャンピングカーといえばベッドにキッチン、トイレまで揃っている居住空間が基本形でしたが、最近は「車中泊」のみに焦点を当てて簡素化した車両が主流です。食事は外で賄い、寝場所としてのみ利用する使い方です」
これは生活インフラが充実している日本ならでは。目的もアウトドアよりむしろ旅の足に利用する人が多いという。