開放感に溢れた客室(現代楽園・高崎店)
「HOTEL SARA 錦糸町」には、〈社長室〉〈電車の車内〉〈学校の教室〉といった、シチュエーションにフォーカスした客室を多数用意、支持されている。見た目の奇抜さもさることながら、デザイン性や調度品のクオリティ、リアリティ感も高くあらゆる意味で驚く。
直情的な男性目線に秀でているのが伝統的なラブホテルとすれば、進化系のレジャーホテルのキーワードはズバリ女性目線だ。突発的な利用も多い業態だけに、備品やアメニティの充実度は群を抜く。
筆者は、2014年にレジャーホテルも含む372軒のホテルへチェックインするミッションを遂行したが、持ち帰り可能なアメニティは使用せず全て保管した。並べて比較してみると、種類・内容共に最も充実したいたのは、外資系ラグジュアリーホテルよりもレジャーホテルのアメニティ。女性のアメニティが充実しているのが印象的だった。
女性目線でスイーツにフォーカスするのが「HOTEL&SWEETS FUKUOKA」。福岡空港近くのパティシエもいるレジャーホテルだ。ロビー近くにはスイーツのショーケースがありピックアップ自由。とはいえ店員はいない。彼が店員に扮し彼女のためにピックアップする光景もみられるそうだ。客室の出入りは自由なので何度でもピックアップできる。
こうなると、もはやレジャーホテルの枠を超えているともいえるが、都内を中心に展開する「ホテルバリアンリゾート」は、まさに新しいスタイルの都市型リゾートホテルとも表することができよう。
開放的なロビーラウンジにはフリードリンクをはじめ、アメニティバーなどもあり、カップル同士が人目を気にすることなくワイワイ賑やかに楽しんでいる。もちろんフロントにはスタッフがおり、一般のホテルと変わらない。
リゾート感といった、いわゆるラブホのイメージを微塵も感じさせないレジャーホテルから、奇抜コンセプトの“ザ・ラブホ”的な進化系施設、グルメや癒しをテーマにするホテルなど、まさに百花絢爛のレジャーホテル業界。
一部派遣型風俗の利用で使用されることもあるが、十八番はやはりカップルユースだ。シティホテルや旅館も積極的にカップルユースの取り込みに奔走する時代、レジャーホテルはどこへ向かって進んでいくのか注視していきたい。
●写真提供/瀧澤信秋