「物忘れ外来を受診するMCI患者に対し、認知症検査をすると同時に脳波やMRIによるASL検査(脳血流動態評価)などを実施して、てんかんの有無を診断することが重要です。学会では多施設共同でアミロイドβによる認知症と、てんかんについて大規模調査を実施するべく準備を進めています」(堀院長)
側頭葉てんかんは新薬が承認され、重篤な副作用もなく、治る病気になっている。認知症と診断された患者の脳波などを検査し、てんかんの治療薬を投与したところ、認知機能が回復した例が数多くある。さらに重症のてんかん患者に対しては異常な脳波を出している場所に、超音波を集中的に当てて治療する方法を、堀院長が2016年8月に世界で初めて実施して成功した。てんかんは治る病気になってきている。
MCIと診断されても、てんかん併存の場合もあるため、脳波検査を行ない、てんかんの有無を確認した上で、適切な治療に早めに取り組むことが重要だ。
●取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2018年4月27日号