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悪天候で発症「天気痛」は国内約1000万人以上と推計

梅雨の気圧差が不調を引き起こすことも

 カビと同様に、この時期に疾病の原因になりやすいのが「気圧差」だ。気圧医学の第一人者で、愛知医科大学客員教授の佐藤純氏が解説する。

「雨の日に決まって古傷が痛んだり、頭が痛くなった経験がある人は多いでしょう。天気が悪くなったときに起こる様々な体調不良は『天気痛』『気象病』などと呼ばれている。主な症状は、膝や腰の痛み、偏頭痛や首のコリ、めまい、関節リウマチなどが挙げられます。

 そうした症状の原因は、気圧の変化にあると考えられています。体の平衡感覚を司る三半規官などが集まる『内耳』には、気圧変化を察知する“センサー”の役割を持つ細胞があります。この細胞が敏感にはたらく人は、気圧変化によるストレスが大きくなり、交感神経が活性化したり、全身の血流が悪くなるなどして、体調不良が発症しやすくなる。春の陽気から、急に天候が悪化する梅雨の時期は気圧変化が大きく、症状を訴える人が多くなるのです」

 2015年の愛知医科大学の研究結果によれば、「天気痛」は、国内だけで約1000万人以上が発症していると推計されている。

「原因が分からないまま放置して痛みなどのストレスが酷くなり、うつ病を発症するほど重篤化してしまうケースもある。他にも梅雨時や夏場の気圧変化がもたらすリスクには、高温多湿で脱水症状気味の時に、急激な気圧低下に遭遇して血流が悪くなると脳梗塞を引き起こすことなどが挙げられます」(同前)

 気圧差については、明確な対処法が存在しないのが難しいところだが、前出・佐藤氏はこういう。

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