家庭菜園を始める人が増えている。葉や実が育ってきて、そろそろ収穫が始まる頃に頭を悩ませるのが、虫の発生と飛来だ。どうすれば家庭菜園での病害虫を防ぐことができるか、専門家に聞いた。
【粉をふいたように葉が白くなった】
→原因はうどん粉病
あらゆる植物の葉に発生し、まるで小麦粉をふりかけたように発症するうどん粉病の原因はカビ。うどん粉病が発生すると、光合成が阻害され、葉から栄養を奪われ、花が咲かなくなったり、果実が大きくならなかったり、枯死につながることも。
園芸技術アドバイザーの古藤俊二さんが語る。
「うどん粉病には、重曹2gとはちみつミリリットルを1リットルの水に溶いた重曹はちみつ液をハンドスプレーで患部中心に株全体に噴霧して。病気が葉一面に広がったら手遅れなので、発生初期に行うことが大切です」
【葉っぱに迷路のような白いスジ模様が】
→原因はハモグリバエ
葉っぱに白い絵の具でクネクネ絵を描いたような白いスジは、通称“エカキムシ”の仕業。正しくは葉肉の中に潜り込んだハモグリバエの幼虫が、組織を食べた食害跡だ。
園芸家の深町貴子さんが話す。
「ハモグリバエは生涯で400個の卵を産みますが、1枚の葉には卵1個しか産みません。食害のある葉は摘み取って。もし、食害のある葉の枚数が多いなら、葉を透かすと黒く見える幼虫だけを葉の上から指で潰し、葉は残して」
【新芽周辺に、くもの巣状の網が】
→原因はハダニ類
ハダニは、葉の裏に寄生して栄養を吸汁して植物を弱らせ、放っておくと葉の色を悪くし、植物を枯らしてしまう。野菜の頂上付近にくもの巣状の網を張り、猛スピードで増殖する。
「薬剤に耐性があり、高温・乾燥にも強い。ただし窒息攻撃に弱いので、ホースで水攻めにするのが効果的です」(深町さん)
※女性セブン2018年7月12日号