JR武蔵小金井駅も「ムサコ」のひとつ
JR中央線は東京駅を起点に新宿駅や吉祥寺駅、近年になって発展が著しい立川駅、ベッドタウン・八王子駅を走る人気路線。
武蔵小金井駅は東京都小金井市の中心的な駅だが、駅の存在感は武蔵小山駅や武蔵小杉駅の後塵を拝してきた。
また、武蔵小金井駅は中央線の快速しか停車しない。中央線の快速は、快速ながらも三鷹駅以西は各駅に停車する。特別快速や中央特快、青梅特快など武蔵小金井駅を通過してしまうので、人気の中央線でも目立たない存在だった。
しかし、中央線の連続立体交差事業が始まると事情は一変。高架化で約9キロメートル、7万平方メートルの空間が新たに生まれた。
これにより、JR東日本社内では、この空間の有効活用を模索する動きが活発化。JR東日本は沿線開発の先導役として、新たに子会社のJR中央ラインモールを設立する。
「JR東日本グループには、同じく都市開発を担当するJR東日本都市開発という会社があります。弊社も駅や街の開発を担当していますが、大きな違いは駅業務を受託するとともに駅ナカや駅ビル事業を展開していることです。駅業務を受託することで、駅と街とを一体的に開発することが可能になりました」と話すのはJR中央ラインモールの担当者だ。
現在、JR中央ラインモールは商業施設「nonowa」を中央線の沿線で展開しているが、その第一号は2012年に西国分寺駅にオープン。そこからJR中央ラインモールの都市開発は勢いを増していく。
JR中央ラインモールは、単に商業施設の開発を手掛けるだけではない。高架化によって生まれた空間を公園化して住民たちの交流スペースを確保。また、“ののみち”という歩行者空間づくりにも力を入れている。
“ののみち”は、建物をセットバックし歩行空間を幅広にすることで歩行者や自転車の往来をスムーズにした。また、幅広の歩行者空間が生まれたことで、ランニングやウォーキング、犬の散歩が楽しめる駅間にもなっている。
そして、2018年4月に満を持して武蔵小金井駅にオープンしたのがムサコガーデンだ。