散歩ばかりしているという作家で劇団「鉄割アルバトロスケット」主宰の作家・戌井昭人氏による週刊ポスト連載「なにか落ちてる」より、記録的猛暑の中、クーラーが壊れたときに得た知見についてお届けする。
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クーラーつけてますか?
「わたしはクーラーが苦手だよ」などと言ってられない世の中になってしまいました。クーラーがないと生死に関わる問題にもなります。自分は汗っかきなうえ、汗をかくのが好きなので、以前、昼間は、部屋のクーラーをつけないで、汗まみれになったら水を浴びるということを繰り返し、夕方になったらクーラーで部屋をキンキンに冷やして「ああ極楽!」といったことを楽しんでいました。
しかし今年の夏は、そんなことをやっている場合ではありません。クーラーをつけないと身体がだるくなり、頭もポカーンとしてきます。とにかく家でこんなことやらず、とっととサウナ風呂に行けばいいのですが。
先日、この殺人的な夏の中、クーラーが壊れました。本体から水がジャバジャバ出てきたのです。そのクーラーがあるのは二階の寝室で、朝起きると、壁と床が水浸しになっていました。
原因は汚れかと思い、掃除をしてみたものの、直りません。それでも部屋は冷えるし、クーラーをつけないと眠れないので、吸水性が良い、ペットのトイレシートを買ってきて、床に敷いたり壁に貼ったりして、その場をしのぎ、電気屋さんに連絡をしたのですが、この時期、忙しくて来てもらえるのは数日後。その後も、ペットシートで吸水していたものの、壁紙がフニャフニャになり、ヤバくなってきたので、二階を使うのをやめて、居間に布団を持ち込んで寝ていたのです。