ライフ

戦艦「大和」元乗組員が見た当時の南京「虐殺は絶対にない」

呉軍港で建造中の戦艦大和(共同通信社)

 日本軍が誇った“世界最大の戦艦”大和は戦後、無謀な特攻との批判を受け、無用の長物とまで揶揄された。このままその歴史観が定着することは耐えられない──声を上げたのは、他ならぬ大和の元乗組員、現在104歳である。

「長いこと生きているが、台風が東から西に来たなんていうことは1回もなかった。船乗りだったから、天候は気になります」(深井氏、以下「」内同)

 取材日は東京都内を台風が直撃した日だった。深井俊之助氏は、大正3年生まれの104歳。部屋の中を杖もつかずに歩き、座る姿勢は背筋がピンと伸び、驚くべき記憶力で理路整然と語る。

 深井氏は戦前、海軍の通信技術者だった父親の影響から海軍兵学校に入り、終戦まで戦艦乗組員として活動した。世界最大と謳われた戦艦「大和」の副砲長まで務め、日本海軍の最前線の戦いを語ることができる最後の人物だ。その証言は、大東亜戦争を検証するうえで貴重な資料である。

「海軍に入ってすぐ、私が練習艦『比叡』に乗っていた頃、昭和10年4月に満州国皇帝・溥儀(ふぎ)が来日することになり、比叡が御召艦として溥儀さんを迎えに行くことになった。そこで、一番若い士官の私が溥儀さんの世話係になりました。

 ところが、大連から横浜までの間、低気圧が襲来して船は大揺れ。溥儀さんは船酔いしてげえげえ吐いた。私は洗面器を差し出し、背中をさすってあげて、汚物の後始末をしました。

 言葉は通じなかったんですが、溥儀さんは頭を下げて、ジェスチャーで『ありがとう、ありがとう』と言っていました。すごく優しい人でした」

関連キーワード

関連記事

トピックス

バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
三浦瑠麗(本人のインスタグラムより)
《清志被告と離婚》三浦瑠麗氏、夫が抱いていた「複雑な感情」なぜこのタイミングでの“夫婦卒業”なのか 
NEWSポストセブン
ドラマ『Believe -君にかける橋-』で木村の妻役で初共演
初共演・天海祐希もハイテンションに! “木村拓哉の相手役”が「背負うもの」と「格別な体験」
女性セブン
オフの日は夕方から飲み続けると公言する今田美桜(時事通信フォト)
【撮影終わりの送迎車でハイボール】今田美桜の酒豪伝説 親友・永野芽郁と“ダラダラ飲み”、ほろ酔い顔にスタッフもメロメロ
週刊ポスト
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン