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2世タレントの宿命「ハロー効果」とは? 心理士が解説

早くもモデルとして頭角を現すKoki,(インスタグラムより)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人やトピックスをピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、最近注目を浴びている2世タレントを分析。

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 このところ2世タレントに、再び注目が集まっている。それも、両親ともに芸能人や有名人の場合、話題性も注目度も高く、デビューした時のインパクトは大きい。

 昨年9月、ラグジュアリー誌『Richesse』(ハースト婦人画報社)の表紙で、母の“ゴクミ”こと後藤久美子さんと共演し、モデルデビューを果たしたのはエレナ・アレジ後藤さん。父は元F1レーサーのジャン・アレジさんだ。その後、女性誌『25ans』(ハースト婦人画報社)で母・久美子さんと2人での特別インタビューが掲載され、7月には『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)にも出演し、モデルだけでなくタレントとして活動を始めたようだ。

 パリコレという華やかな舞台でモデルデビューしたのは、俳優の本木雅弘さんを父に持つUTAさん。母はエッセイストで女優の内田也哉子さんだが、彼女もまた2世タレントだ。父は歌手の内田裕也さん、母は女優の樹木希林さんである。父親譲りの端正なイケメンに、190センチという長身が話題になった。

 そしてもう一人、活躍に期待が集まっているのがKoki,さん。父は言わずと知れた“キムタク”こと木村拓哉さん、母は歌手の工藤静香さんだ。彼女もまた、5月に発売されたファッション誌『エル・ジャポン』(ハースト婦人画報社)で表紙を飾り、モデルデビューを果たした。キムタクによく似た顔立ちに抜群のスタイル。デビュー早々から注目が集まり、公式インスタグラムのフォロワー数は110万を突破。先日はあのハイブランド、ブルガリのアンバサダーに就任し、インスタグラムにアップされた瑞々しい美しさが話題になった。

こうした2世タレントが大舞台で衝撃的で鮮烈なデビューを飾ることができたのは、彼ら自身の素材の良さもあるだろうが、やはり親の知名度と話題性によるところが大きい。特に前述の3人は、後ろ盾が何もない新人とはスタートラインがまるで違う、2世タレントの中でも目立った存在だ。

 父親譲り、母親譲りの顔立ちや立ち居振る舞いを見ていると、つい両親の活躍ぶりを重ねてしまうだろう。著名人や有名人、活躍している芸能人の子供なら、その子の実力がわからなくても全てが良く見えてしまうのではないだろうか。こんな現象を「ハロー効果」という。親の好ましいイメージが、そのまま子供にもプラスの影響を与えるのである。よく言われる「親の七光り」は、このハロー効果のことである。

 ハロー効果があれば、なおのこと2世への期待は否応なく大きくなっていく。何しろ、最初は親のプラスイメージがあまりに大きすぎて、プラス面ばかりが強調されるのだから。まして、2世タレントの親のファンであれば、ひいき目で見てしまうだろう。彼らに対して抱いていた憧れや理想を、そのまま2世にも当てはめてしまうかもしれない。世間もメディアも彼らを見ながら、無意識のうちに自分の期待に適う理想の水準を2世に設定するため、応援しつつも彼らを見る目が厳しくなる。活躍している両親を持つ2世ほど、彼らへの世間の要求水準は最初から高くなりやすいのだ。そのため、例え華々しくデビューしても、生き残っていける2世タレントはそう多くない。

 デビューした時から親と比較されるという運命を背負っている2世タレントだが、比較されることをどう捉えるかも、生き残るためのポイントである。それは親という比較対象があるからこそ、彼らの価値や魅力が見えやすくなるからだ。比較するものが無ければ、多くの芸能人の中に埋もれてしまい、その魅力や価値は認識されにくいが、比較対象が有名、著名な親であればあるほど、親より優れているものが1つでもあれば、それが彼らにとって大きな魅力となり、芸能界を生き抜く武器となるのだ。

 親というハロー効果に負けないたった1つの魅力、それが2世タレントとしての必須条件だろう。

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