国際情報

中国立ち退きでゴネ得伝説 7年間車線を遮り価格6.8倍に

都市の開発をめぐってはエピソードに事欠かない(アフロ)

 中国ではまだ土地取引をめぐる「伝説」が生まれている。現地の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 中国ではたまに、道路建設や地域開発に絡み、頑として立ち退きを拒否した結果として道路のど真ん中に家が一軒、ポツンと取り残されたまま工事が進められるとう、まるで冗談のような事態が引き起こされる。立ち退きを拒否する者も頑固なら、事業を進めようとする側も、いたって強引であるがためだ。

 トラブルの結末は、たいてい立ち退きを拒んだ者が圧倒的に不利益を被るというのがオチであった。大規模開発であれば近くに巨大なマンションが建ち、その横に取り残されたわずかに土地は常に圧迫され、陽も射さないため土地の価値が暴落するからである。

 道路の真ん中に取り残された家ともなれば、危険で住むに値しない土地となる。だが、安徽省のケースは従来のそうしたケースとは少し違った結末を迎えそうなのだという。

『鳳凰ネット』をはじめ多くのメディアが9月1日付で報じたニュースによれば、同省蕪湖九華中路で立ち退きを拒否して道路のど真ん中に取り残された三階建ての一軒家は、二つの車線を遮ったまま、2010年3月から放置されてきたが、昨年6月に事業主との話し合いが成立。やっと売却が決まったという。

 話題を呼んだのはその売却価格である。当時、162万元(約2624万円)だった価格は、およそ7年を経て1100万元(1億7820万円)にまで上がったという。一歩家を出るとすぐに目の前を車が猛スピードで走るという環境に耐えて、ついに手にした利益である。だが、こういうのも決してしょっちゅうあることではないだろう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

体調を見極めながらの公務へのお出ましだという(4月、東京・清瀬市。写真/JMPA)
体調不調が長引く紀子さま、宮内庁病院は「1500万円分の薬」を購入 “皇室のかかりつけ医”に炎症性腸疾患のスペシャリストが着任
女性セブン
学習院初等科時代から山本さん(右)と共にチェロを演奏され来た(写真は2017年4月、東京・豊島区。写真/JMPA)
愛子さま、早逝の親友チェリストの「追悼コンサート」をご鑑賞 ステージには木村拓哉の長女Cocomiの姿
女性セブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
睡眠研究の第一人者、柳沢正史教授
ノーベル賞候補となった研究者に訊いた“睡眠の謎”「自称ショートスリーパーの99%以上はただの寝不足です」
週刊ポスト
公式X(旧Twitter)アカウントを開設した氷川きよし(インスタグラムより)
《再始動》事務所独立の氷川きよしが公式Xアカウントを開設 芸名は継続の裏で手放した「過去」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
現役を引退した宇野昌磨、今年1月に現役引退した本田真凜(時事通信フォト)
《電撃引退のフィギュア宇野昌磨》本田真凜との結婚より優先した「2年後の人生設計」設立した個人事務所が定めた意外な方針
NEWSポストセブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
「ホテルやネカフェを転々」NHK・林田理沙アナ、一般男性と離婚していた「局内でも心配の声あがる」
NEWSポストセブン
猛追するブチギレ男性店員を止める女性スタッフ
《逆カスハラ》「おい、表出ろ!」マクドナルド柏店のブチギレ男性店員はマネージャー「ヤバいのがいると言われていた」騒動の一部始終
NEWSポストセブン
【中森明菜、期待高まる“地上波出演”】大ファン公言の有働由美子アナ、MC担当番組のために“直接オファー”も辞さない構え
【中森明菜、期待高まる“地上波出演”】大ファン公言の有働由美子アナ、MC担当番組のために“直接オファー”も辞さない構え
女性セブン