ビジネス

講演依頼数3年連続1位、ガリガリ君生みの親は何を話す?

講演が人気、赤城乳業元常務取締役開発部長の鈴木政次さん

 参加費は決して安くないにもかかわらず、あっという間に満員になる講演会がある。そんな人気の講演者は、いったいどんな話をしているのだろうか──。

 そこで、「講演依頼.com」で講演依頼数3年連続1位の赤城乳業元常務取締役開発部長・鈴木政次さん(72)の講演会をここに再現する。

【プロフィール】
赤城乳業元常務取締役開発部長/鈴木政次さん(72)
赤城乳業株式会社に入社後、1年目から商品開発部に配属。『ガリガリ君』『ガツン、とみかん』など、数々のヒット商品を生み出す。講演依頼.comで講演依頼数3年連続1位。

 * * *
 主婦でも勤め人でも、自分の評価は自分ではできません。会社でヒラ社員がいきなり、「私を主任にしてください」と主張してもムリですよね。“あの人はこうだ”という評価は周りが下すものです。

 でも、その評価は時代によって変わります。例えば原油価格が高い時代、八方手を尽くして見つけた仕入れ先と原油の長期契約を結び、会社から称賛された商社マンがいました。しかし3年後、その人は社内で酷評されて辞任に追い込まれた。原油価格が暴落し、長期契約を交わした責任を問われたんです。

 つまり、その場限りの他人の評価に左右されるのはつまらないということ。人は会社や上司の評価ではなく、自分のために働けばいいんです。

 その際の人づきあいで大切なのは、“この人は間違っている”と思っても、相手の主張を「はい、そうですね」と笑顔で受け入れることです。“私が正しいのに…”という思いを心の中にとどめて、「イエス」と答えれば、世の中はスムーズに動きます。こうした「イエス・バット」の対応が人間関係になじむコツです。

 人間も商品も、どれだけ勢いがあってもいずれ衰えて死んでいきます。「ガリガリ君」も、急激に伸びた売り上げが永遠に続くわけはなく、ある時、衰退期を迎えました。そうしたピンチを防ぎ、半永久的に商品が愛されるために必要なのは、商品をこまめにリニューアルすること。「ガリガリ君」は、消費者の好みに合わせて氷の粒を小さくしたり、女性グループにインタビューをしてキャラクターのデザインを女性好みにするなど、微調整を繰り返しました。

 人間関係も同じことです。よい関係を長く続けるには、時々リニューアルする必要がある。長い夫婦生活では、たまに新しい一面を見せないと、“いてもいなくてもいい存在”になってしまいます(苦笑)。

 相手が飽きないためには、小ネタを出し続けることが大切というわけです。だから「ガリガリ君」は、120種類もあるんですよ。

※女性セブン2018年11月22日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン