香港では中国政府の役人(官吏)を騙った電話による詐欺事件が多発しており、今年7月から10月の4か月間だけで、138人が被害に遭っており、その総額は1230万香港ドル(約1億9000万円)にも達していることが明らかになった。そのうち、中国大陸から香港に「留学」している中国人学生は82人で、被害総額は760万香港ドル(約1億円)に達しているという。
ネット上では、「大陸から来た学生たちはお金を持っている。金持ち学生には同情しない」とか「もっと勉強して、お金よりも豊富な常識を持て」との書き込みが目立っている。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が報じた。
香港警察によると、もっと被害額が多かった中国人学生は19歳の大学1年生の女子大生で95万香港ドル(約1240万円)をだまし取られた。
今年9月中旬、この女子大生に彼女の故郷、「上海市の警察幹部」と名乗る男から電話があり、彼女が上海にいる際に起きた犯罪事件が明らかになり、彼女が間接的に関わっていることが分かったなどと言葉巧みにデマの話を信じ込ませた。
詐欺犯は「あなたは上海に戻れば、逮捕しなければならないが、いまなら、逮捕された犯人の保釈金を支払えば、あなたの嫌疑を問わないようにする」などともちかけて、彼女の銀行口座番号や暗証番号を聞き出し、4日間で彼女の口座から全額引き出したという。
また、2万7000香港ドル(約35万円)を騙し取られた最年少の14歳の女子中学生は、香港の銀行から中国大陸の銀行口座にお金を移した際に、詐欺犯から電話を受け、「それは香港の法律では違法になる」などと信じ込まされて、銀行口座番号などを教えてしまったという。