中国福建省福州市のビン江(びんこう)大学では、昼食や夕食時には、学生らが頼む料理のデリバリーサービスの電動バイクが多数キャンパス内を動き回り大混雑していた。さらに、電動バイクはエンジン音がほとんどしないことから、学生や職員らとの接触事故も多発したこともあって、大学側はデリバリーサービスを禁止する措置に出た。
これに反発した学生たちは、「学生食堂は寮から遠く、さらに食事をするまでの行列が長く、時間の無駄だ。デリバリーサービスは寮まで届けてくれる分、時間が節約でき、その分、勉強時間に回すことができる」などと主張。しかし、大学側は「栄養面が心配」などとして納得せず、両者の対立が続いている。
ビン江大学はキャンパスが162万平方メートルと、東京ドーム約45個分の広さがある。しかし、学生食堂は正門の近くに1カ所しかなく、学生寮からは2キロほども歩かなければならない。しかも、ビン江大学の学生数は2万人以上で、昼休み時間内に食事を済ますのは難しい場合もある。
このため、学生は学生食堂よりも、もっぱらデリバリーサービスを利用するようになった。このため、デリバリー業者にとって、ビン江大学は福州市内では最も注文が多いお得意さまとなっている。
しかし、キャンパス内は昼食や夕食時にはデリバリーサービスのバイクで大混雑。さらに、教室や寮の廊下には食べ終わったあとの捨てられた容器が山積みになって、通行に支障をきたすほどだ。