国際情報

中国共産党38歳幹部 「老け顔」でネット炎上の末路

政府もネットの反応は無視できない(アフロ)

 男の顔は履歴書だ、と言われたりする。だが、なかには“例外”もあるようだ。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 11月、ある地方の幹部人事が写真とともに公表された。その中の一人に、恰幅がよく、いかにも大物政治家然として写っていた人物がいた。李忠凱という名前だった。地方の議員にありがちな、貫禄があり、さしずめ県議会議長レベルのベテラン風である。

 その李氏の写真が公開されると、地元にとどまらない大きな反響がネットの中で巻き起こった。曰く、「こんなにも老けてしまうほど、共産党の仕事は過酷なのか……」。

 なんといってもこの李忠凱、生まれたのは1980年。つまり「八〇后」で、現在38歳という。それなのに髪は薄く、残った髪の毛もほとんどが真っ白になってしまっていて、とても「八〇后」のイメージではない。

 そんな理由からネットではたちまち大きな話題となり、やがて李氏がこんな老けてしまったのは「仕事が辛すぎるからだ」という理由に落ち着いていったのである。

 11月17日付『人民日報』の記事〈この「八〇后」幹部 ネットで炎上〉によれば、李氏は現在、雲南省大桃県湾碧郷党委員会書記。いわゆる「基層幹部」という立場だが、ネットでは、「わが国の基層って、半端ないな」といった反応が沸き起こったと記事では紹介されている。

 本来であれば、ちょっとした笑い話のはずだが、何を思ったか現地政府はこのネットの反応に対して、正式な身元調査を開始した。その結果、出されたのが「公示公告」という正式回答(以下、「回答」)だったというから驚きである。

「回答」には、ネット市民から〈李氏の写真が実年齢と差があり過ぎるという指摘があった〉とした上で、記載された年齢に疑いの声が上がったとし、〈楚雄州政府は事態を重く見て迅速に調査を実行した〉というのだ。そして、〈写真が李忠凱本人であること〉と〈彼が本当に1980年8月生まれであることを確認〉したと「回答」したのだ。

 それにしても政府の正式調査まで引き起こしてしまう「老け顔」とはどんなものなのか。李氏自身には何の落ち度もないだけに悲しい話である。

関連キーワード

関連記事

トピックス

東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
ディップがプロバスケットボールチーム・さいたまブロンコスのオーナーに就任
気鋭の企業がプロスポーツ「下部」リーグに続々参入のワケ ディップがB3さいたまブロンコスの新オーナーなった理由を冨田英揮社長は「このチームを育てていきたい」と語る
NEWSポストセブン
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《渡部建の多目的トイレ不倫から5年》佐々木希が乗り越えた“サレ妻と不倫夫の夫婦ゲンカ”、第2子出産を迎えた「妻としての覚悟」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン
都内の日本料理店から出てきた2人
《交際6年で初2ショット》サッカー日本代表・南野拓実、柳ゆり菜と“もはや夫婦”なカップルコーデ「結婚ブーム」で機運高まる
NEWSポストセブン
無期限の活動休止を発表した国分太一
「こんなロケ弁なんて食べられない」『男子ごはん』出演の国分太一、現場スタッフに伝えた“プロ意識”…若手はヒソヒソ声で「今日の太一さんの機嫌はどう?」
NEWSポストセブン
1993年、第19代クラリオンガールを務めた立河宜子さん
《芸能界を離れて24年ぶりのインタビュー》人気番組『ワンダフル』MCの元タレント立河宜子が明かした現在の仕事、離婚を経て「1日を楽しんで生きていこう」4度の手術を乗り越えた“人生の分岐点”
NEWSポストセブン