小泉内閣では、宮内氏は政権と一体となって郵政民営化、不動産や金融、タクシーや理髪店まで規制を次々に撤廃・緩和させ、オリックスグループをリース会社から金融コングロマリットに急成長させていく。
だが、宮内氏のビジネスモデルは、小泉政権の終わりとともに逆風が吹いた。麻生内閣になると、鳩山邦夫・総務相は、日本郵政が全国の「かんぽの宿」をオリックスに一括売却することに対し、「国民が出来レースと受け止める」とストップをかけ、国民の批判が高まった。
しかし、逆の意見もある。経済ジャーナリストの須田慎一郎氏が語る。
「払い下げは批判を浴びたが、赤字の事業を買い取るところがオリックス以外になかった。規制緩和で生まれた未知の市場に参入するのは企業にとってリスクも大きい。オリックスはリスクを取って参入しており、失敗しているケースも多い」
宮内氏のビジネスモデルは、現在の安倍政権でも、楽天の三木谷浩史氏など後輩のベンチャー経営者たちが推進している。
※週刊ポスト2018年12月7日号