ライフ

大阪が熱心な阪神ファンの都と化したのはさほど昔ではない

いつから熱狂的になったのか?(共同通信社)

 阪神タイガースの本拠地は兵庫県の阪神甲子園球場なのに、なぜ、大阪人は阪神ファンというイメージが強いのだろうか。11月に『大阪的』(幻冬舎新書)を上梓した国際日本文化研究センター教授の井上章一氏は、テレビが大阪人といえば「陽気でおもろいおばはん」のイメージを作り上げたと指摘する。それと同様に、大阪人=阪神ファンのイメージも、メディアが創り出したものだと解説する。

 * * *
 メディアの影響といえばもうひとつ、大阪人=阪神ファン、あるいはアンチ読売のイメージを作り上げたことも無視できません。

 プロ野球が2リーグ制になって以降、阪神が初めて優勝したのは1962年。広島を相手に、ホームグラウンドで勝利を掴みました。この時、甲子園球場は満員のファンで沸いたか、といえば、そんなことはない。観客動員は2万人前後で、外野席はガラガラでした。

 一方、同じ年の阪神-読売戦は、4万人以上を集めて満員となっている。優勝決定戦よりも読売戦が客を集めた理由は、ひとつ。多くは読売ファンだったからです。私の周りも読売贔屓のほうがずっと多かった。

 いつから大阪は“熱烈な阪神ファンの都”と化したのか。

 これは神戸に本社を置くサンテレビの力が大きかった。1960年代の民放は、読売戦以外の放送をほとんどしていなかったのですが、ここにサンテレビが1969年から阪神戦の完全中継に乗り出したことで、関西人の野球観が変わった。当時、阪神球団が求めた放送権料が、小さな地方局でも買い取れるほど安かったことも、大きな理由でしょう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
乱戦の東京15区補選を制した酒井菜摘候補(撮影:小川裕夫)
東京15区で注目を浴びた選挙「妨害」 果たして、公職選挙法改正で取り締まるべきなのか
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト