当然のことながら、俳優や監督たちも一筋縄でいかない。俳優三國連太郎の初監督作品『台風』は、意欲的な企画として立ち上がったが、脚本は二転三転し、撮影も混乱をきわめるなど、「騒動」となった。また、長谷川和彦監督の幻のデビュー作は、低予算のロード・ムービー的ピンク映画だが、未完成に終わった。今では撮影フィルムの行方もわからない。
本書を通してよみがえってくるのは、すえた匂いのする場末の映画館の暗闇、上映が始まる瞬間のわくわくする気分である。
※週刊ポスト2019年1月11日号
当然のことながら、俳優や監督たちも一筋縄でいかない。俳優三國連太郎の初監督作品『台風』は、意欲的な企画として立ち上がったが、脚本は二転三転し、撮影も混乱をきわめるなど、「騒動」となった。また、長谷川和彦監督の幻のデビュー作は、低予算のロード・ムービー的ピンク映画だが、未完成に終わった。今では撮影フィルムの行方もわからない。
本書を通してよみがえってくるのは、すえた匂いのする場末の映画館の暗闇、上映が始まる瞬間のわくわくする気分である。
※週刊ポスト2019年1月11日号