体の異変や病気の兆候を感じた時から二者択一は始まっている。例えば「病院に行くか、行かないか」「手術をするか、しないか」というように。
正しい選択をするために重要なのは、まず患者自身が正しい知識を持つことだ。健康なうちから「もしもの事態」を想定し、いざという時に冷静な対処ができるよう備えなければならない──そう呼びかけた本誌・週刊ポスト(2019年1月11日号)の特集は大きな反響を呼んだ。
中でも編集部に多く寄せられたのが、「病気の初期段階かどうかの判断が難しい『体調のちょっとした変化』に気付いた時、どう対処すればいいのか教えてほしい」との声だった。『長生きするのはどっち?』の著者で秋津医院院長の秋津壽男氏(内科医)がいう。
「体調にわずかな異変を感じた時、初期対応がその後を左右します。適切な処置を選ばなければ、重大疾患を見逃したり、症状をさらに悪化させることになりかねない」
“まずは医師に相談しておけば大丈夫”と考える人は多いだろう。しかし、それが落とし穴につながる場合もある。医師にはそれぞれ得意な専門分野があるため、もし病院や診療科の選択を間違えば、適切な診断や治療を受けられない可能性があるのだ。
患者の身を守るのは医師ではなく、患者自身である。
※週刊ポスト2019年1月18・25日号