普通の人にとって、「効能」を伝えられたらその薬を積極的にのみたくなるかもしれない。だが、プロは副作用等も考え、慎重に考える。病気の専門家である医師に「もし患者になったら、どの薬を飲まないか」とぶつけた──。
「風邪薬の中では、抗ヒスタミン薬に分類されるものは避けています」
そう話すのは、秋津医院院長の秋津壽男医師(内科)だ。
「抗ヒスタミン成分を含む市販の感冒薬には、鼻水を止める効果がある一方で、排尿障害の副作用リスクがあります。
さらに、風邪などの症状で医療機関を受診した際に処方されるより効き目の強い抗ヒスタミン薬のなかには、『尿閉』という尿意があるにもかかわらず排尿できなくなる症状を引き起こすリスクが明らかになっているものがある。
尿閉になると、膀胱がぱんぱんなのに尿が出ず、冷や汗や頻脈が生じたり、膀胱に強い痛みを感じたりして非常に苦しい思いをします。耐えきれなくて病院に駆け込むと、導尿カテーテルによる治療を受けることになりますが、激しい痛みを伴います」
抗ヒスタミン成分が入っていない市販の風邪薬もあるが、どういったものを秋津氏は飲んでいるのか。