【図表】発がん性の分類

「天然系の色素である『コチニール色素』は、サボテンに寄生するエンジムシを乾燥させて作る赤色の着色料で、『カルミン酸』を主成分とします。最近は、『コチニール色素』の名前を知っている人が増えてきたことから、『カルミン酸色素』と表示されている商品が多くなってきました。これには、アレルギーを起こす可能性があり、特に子供がいる家庭では気をつけたいところです」(垣田さん)

 肉同士をくっつける結着剤として使われることが多い「リン酸塩」も避けたい。

「リン酸塩を多量に摂取すると、カルシウムの吸収が阻害され、骨粗しょう症のリスクが高くなると指摘されています。ラットを使った動物実験では、腎臓や大動脈に石灰が沈着する現象が起こることがわかっています。人の場合は1日7g、小さじ2杯程度までは大丈夫だといわれていますが、リン酸塩は添加物を含むほとんどの食品に含まれているので、気づかずたくさん摂取している恐れが大きい」(郡司さん)

 結着剤として、リン酸塩ではなく、大豆や卵などのたんぱく質やでんぷんなどを使うこともあるという。

「そういったものは、増量剤とは書かれていないが、肉同士をくっつけるだけではなく、かさを増すための役割も果たします。たんぱく質やでんぷんは添加物ではなく、体への害はありませんが、使っている肉の量が少ないぶん、質も味も落ちます」(垣田さん)

 購入する際には、安いからという理由で、“肉もどき”ともいえる加工肉をわざわざ食べる必要があるのかを考えたい。

 また、国産だからといって、必ずしも安心ではないと郡司さんは言う。

「加工肉の場合は、海外からの輸入肉を使っていても国内で加工すれば法律上“国産”と表示できる。実際に、南米産の豚肉を輸入して、国内加工し、“国産”と表示しているメーカーもありました。

 また、国内産の鶏や豚の精肉にも、抗生物質の残留問題があります。抗生物質を使わずに豚や鶏を大量生産することは困難なため、抗生物質は出荷する10日前までは使っていいことになっている。残留していないことを検査してから出荷されていますが、そのルールがどのくらい守られているのかは定かでありません」

 抗生物質の残留は、食品添加物と同等の危険がある。一般の消費者では調べきれないことも多いが、店頭では、原材料や産地を確認するようにしたい。

「加工肉の場合は、亜硝酸塩を添加していない『無塩せき』表示があるものを選ぶこと。無塩せきの加工肉は、ピンク色ではなく黒っぽく、見た目は悪いですが、それが肉本来の色です。さらに、リン酸塩、ソルビン酸、化学調味料、加工でんぷんを使っていない商品は、メーカーが原材料にこだわりを持って作っている場合が多い。原料となる肉も、あまり抗生物質を使っていないのではないかと推測されます」(郡司さん)

 近年、ヘルシー食品のイメージがすっかり定着した「サラダチキン」だが、こちらも加工食品だ。

 商品によっては、加工でんぷんやリン酸塩など、添加物が多量に入っている可能性があることを忘れてはいけない。

※女性セブン2019年7月4日号

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