男は美人を「モノ」として見ている? レディースデーがある女の方が優遇されている? 女vs男の単純な図ではなく、女を取り巻く社会構造のモヤモヤをジェーン・スーさんと中野信子さんが解きほぐした対談集

 あなたはどうですか? もっと大きな声で笑ったり、好きなときに歌を歌ったり、踊ったり、思うことがあるときは意見を言ったりできるのではないですか? あなたらしさを、誰かにたしなめられて引っ込めたことはありませんか? 野望や野心とまではいかなくても、自力で叶えたい夢や希望はないですか? 私はそういうタイプではないと、勝手に思い込んではいませんか? もう若くはないと、限界を自分で決めていませんか? 他者の機嫌を損ねないこと、周囲とうまく馴染むこと、気を回してリーダーのよきサポーターとなること。これらは本来、誰かの庇護のもとでなければ生きていけない人が採る手段です。あなたはどうでしょう。誰かの支配下になければ本当に生きられませんか?

 ジャストフィットな生き方を探そうとすると、無意識に自分を小さくまとめようとする人がいます。それはちょっと危険です。自ら小さな箱に入っていくようなことは、しなくていいのだから。思い込みを取っ払って、大胆に自分のサイズを把握してから、余分な部分をそぎ落としてもいいんです。小さくてきれいな箱に収まって、誰かに選ばれるのを待たなくていいんです。私には価値があると、誰かに証明し続けなくていいんです。意味のない我慢を、自分に強いなくてもいいんです。

 自分の欲望をなめるな。普段はひた隠しにしても、その炎が消えることはありません。隠せば隠すほど胸の奥でくすぶり、自由闊達に生きる人を恨めしく思い続ける燃料になってしまう。それはあまりにも悲しい。

 まったくもって無責任なことを言いますが、欲望を口に出してみてはいかがでしょう。紙に書き出してみるのもいいかもしれません。すべてから自由になれたら、何がしたい? 来年から二年間だけ違う場所で生活するとしたら、どこに住みたい? 年齢や容姿に囚われなければ、どんな服が着てみたい? 

 そんなことをしたって虚しくなるだけ? 本当にそうでしょうか。小さな箱に自分を押し込めているのは、自分自身だってこともある。もっとふてぶてしくなってください。欲望を口にして、いつも尽くしている相手を困らせてみてください。一蹴されてもめげずに、だからどうしたと開き直ってみてください。大事なことなのでもう一度言いますが、誰かに「私にふさわしい相手」として選ばれなくてもいいんです。

 夢を口にしたって叶うとは限りません。でも黙っていなくてもいい。

 若い頃、私は誰かにそう言ってほしかった。でも誰も言ってくれなかったから、今自分で言いました。

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