◆デビューの4年も前から予告があった
ところが冷静になって振り返れば、「レヴォーグ」の登場には伏線がありました。それはデビューの4年も前となる2009年の東京モーターショーです。そこで、スバルは2リッター・ターボ・エンジンを搭載する「スバル・ハイブリッド・ツアラー・コンセプト」を発表します。
ただし、流麗なステーションワゴン・スタイルでありましたが、ドアはガルウイング。現実感のないデザインでした。また、名称の通りにハイブリッドが前面に打ち出されており、後のレヴォーグに続く「日本にあったジャストサイズ」という部分があまり意識されませんでした。
さらに、2009年5月には量産型の最新レガシィが登場したばかりということもあり、「スバル・ハイブリッド・ツアラー・コンセプト」を見ても、「次のレガシィは、もしかすると小さいのかもしれない」という程度のことしか予想できませんでした。
「次のレガシィは小さいかもしれない」という思い込みは、次の2011年の東京モーターショーまで続きます。
この年、スバルは「スバル・アドバンスド・ツアラー・コンセプト」を発表します。コンセプトは「革新スポーツツアラー」です。1.6リッター・ターボ・エンジンとハイブリッドを搭載する、小ぶりなステーションワゴンで、ハイブリッドを除けば、まさにレヴォーグそのものと言っていい内容でした。
しかし、このコンセプトがレガシィではない別のクルマになるとは、まったく予想できなかったのです。さらに、2011年はトヨタ「86」のスバル版である「BRZ」も発表されており、メディアの雰囲気としてはそちらに注目が集まっており、「スバル・アドバンスド・ツアラー・コンセプト」の意味するところを、それほど深く考えていなかったというのも正直なところです。
過去の東京モーターショーを振り返ってみれば、スバルはレヴォーグのデビューする4年も前から、2リッター・クラスのステーションワゴンを模索していたことが分かります。そういう意味で、今年に発表される第2世代のレヴォーグの内容も、過去の東京モーターショーにヒントがあるかもしれません。過去のコンセプトカーを振り返りつつ、次世代のレヴォーグを楽しみに待ちましょう。