「誤解してはいけないのは、男性から女性に生理について話を振るのは絶対ダメだということ。生理中なのか確認したり、重いのか軽いのかなどを聞けばセクハラです。女性がみんな生理をオープンにしたいわけではない。生理について話すことが恥ずかしい女性もいる。
社内などでは、あくまで女性から生理について相談しやすい環境をつくり、生理痛や月経前症候群(生理前の心身の変調)の有無や軽重など、個人差を理解しようとすることが大切です」
社会保険労務士の高島あゆみ氏は、この運動を機に会社組織で変化が起きる可能性を指摘する。
「男性の経営者や管理職から、“女性社員の勤務態度を注意した際に『生理でしんどいので』と言われるとそれ以上言えなくなってしまう”という相談をよく受けることがあります。
日本では、生理がタブー化する一方、『生理休暇』という制度が存在する企業は少なくない。もちろん働くのがつらい状況ならば休むべきですが、本来個人差があるはずなのに、女性が生理休暇を求めれば、生理を理解していない男性はそれを無条件に受け入れるしかなくなってしまう。こういった状況はこの運動とともに見直されていくのではないでしょうか」
大きな社会変革をもたらす可能性を秘めたこの運動。目下もっとも戸惑っているのは、これまで「生理用品は紙袋に入れないとダメだ」と教わってきたのに、いきなり客から「紙袋やめて」と言われるコンビニ店員かもしれない。
※週刊ポスト2019年12月6日号