ライフ

「忘年会スルー」にメディアが飛びついた間抜けな構図

「新年会スルー」をスルー

 ちかごろ「○○スルー」が流行している。SNSで話題だとテレビの情報番組が盛んに取り上げた「忘年会スルー」がもっとも耳にしているバリエーションではないだろうか。そもそも、何かを回避することを「スルー」とネットで呼び始めたのは何が始まりなのか、これからも使われるのか。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、「○○スルー」が溢れる近い未来を予測する。

 * * *
 なんでもかんでも「スルー」と呼ぶことが新しいことだといちいち取り上げられるようになった。2019年末にメディアで多く取沙汰されたのが「忘年会スルー」と「年賀状スルー」である。

 両方とも若者にとっては無駄の象徴で、テレビでは「それでも必要だ」と主張する中高年の嘆きとセットで紹介される。「スルー」の元祖は2ちゃんねるの荒らし等を「スルー」することで、近くはLINEの「既読スルー」がある。2ちゃんねるの「スルー」は「面識のないバカを無視すること」だったが、既読スルーは「関係性がある人なのに反応してあげない」ことを意味する。

 そう考えると「既読スルー」については、2000年代中盤、誰かが自分のミクシィを見に来たことが分かる「足あと」がついたにもかかわらず何も書き込まずに去る「読み逃げ」が連想される。あとは2000年頃の個人HPの「キリ番踏み逃げ厳禁」もだ。

 当時のHPにはアクセス数に応じたカウンターがついており、「1000」や「8888」など、キリの良い番号を踏んだ人がいた場合は、HPに併設された掲示板で「キリ番」を踏んだことを報告し祝意を表明することが謎のルールとして存在していた。その場合は、HPの管理人から賞品を贈られたりした。

 これもいつしかウザがられ、完全に死語となったが、それに代わる言葉が「既読スルー」であり、そこから発展した「忘年会スルー」と「年賀状スルー」である。元々ネット用語だった「スルー」がリアルの世界で使われるようになったのだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
『教場』では木村拓哉から演技指導を受けた堀田真由
【日曜劇場に出演中】堀田真由、『教場』では木村拓哉から細かい演技指導を受ける 珍しい光景にスタッフは驚き
週刊ポスト
どんな演技も積極的にこなす吉高由里子
吉高由里子、魅惑的なシーンが多い『光る君へ』も気合十分 クランクアップ後に結婚か、その後“長いお休み”へ
女性セブン
各局が奪い合う演技派女優筆頭の松本まりか
『ミス・ターゲット』で地上波初主演の松本まりか メイクやスタイリングに一切の妥協なし、髪が燃えても台詞を続けるプロ根性
週刊ポスト
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
三浦瑠麗(本人のインスタグラムより)
《清志被告と離婚》三浦瑠麗氏、夫が抱いていた「複雑な感情」なぜこのタイミングでの“夫婦卒業”なのか 
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン