芸能

立川志の春 師匠・志の輔が良い手本となった『阪田三吉物語』

立川志の春の見事な構成に落語ファンも唸った(イラスト/三遊亭兼好)

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、明治座での舞台公演の原作にもなった、立川志の春の新作落語『阪田三吉物語』についてお届けする。

 * * *
 1月7日から23日まで明治座で三山ひろしが初座長公演を行なう。演歌歌手としての「オンステージ」は第二部で、第一部は三山が主役を務める舞台「阪田三吉物語」。原作は立川志の春の新作落語だ。

 志の春は2018年に語り芸の可能性を広げる実験的な会「志の春サーカス」を始め、シェイクスピアの『冬物語』の落語化や長唄とのコラボなどを行なってきた。『阪田三吉物語』はその第1回で「人物伝」をテーマに創作した噺。その後も何度か再演されているが、今回の明治座公演を前に大幅にバージョンアップされ、11月26日の新宿角座「志の春落語劇場」で披露された。

 戯曲『王将』のモデルとなった天才棋士の波乱万丈の生涯を描く『阪田三吉物語』は1時間40分に及ぶ大作。これを志の春は前編・後編に分けて演じた。阪田三吉というと「破天荒な夫を支える女房」が印象的だが、志の春は関根金次郎とのライバル物語に焦点を絞ることで、新たな阪田三吉像を提示している。

 まずは地の語りで江戸時代に幕府が「名人」制を定めたこと、それは一世一代の終身制だったこと、昭和10年代に十三世名人が自ら名人位を返上して今に至る「実力制」が始まったことに触れてから物語へ。これが終盤で大きな意味を持つ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン