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健康診断でチェックできない失明リスクを避ける方法と費用

視力検査では見えない疾患もある(時事通信フォト)

 健康診断の項目に含まれていても、その部位にかかわる重大疾患を網羅して調べられるわけではない。典型例は「目」に関する検査だ。二本松眼科病院の平松類医師が指摘する。

「多くの人は視力検査の結果が良好だと、『目は大丈夫』と安心します。しかし視力検査はあくまで視力の低下が起きていないかを調べるもの。失明原因のトップである緑内障のリスクを把握できません」

 緑内障は、視神経の障害が進み、視野が徐々に狭まっていく。40代以上の20人に1人、70代の10人に1人が発症するといわれる。

「自覚症状がなく、ゆっくりと進行して末期になるまで視力は下がりません。“何かおかしいな”と気づいた時には、取り返しがつかないところまで症状が進行しているケースが多い」(平松医師)

 緑内障は、眼圧(眼球内の圧力)が高まった際に視神経が圧迫されて生じると考えられていた。そのため、かつては目に“プシュッ”と風を当てる「眼圧検査」が主流だった。

「ただ、現在では眼圧が正常なのに発症する『正常眼圧緑内障』が7割を占めることがわかっています。眼圧が高いと緑内障の可能性が高いですが、正常だからといって緑内障ではない、というわけではないのです」(同前)

 さらに、緑内障以外でも、失明の危険がある疾患を健康診断で発見するのは難しい。

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