ビジネス

USJ再建の立役者が挑む「西武園ゆうえんち」刷新の高い壁

来場者数が全盛期の4分の1まで減ってしまった「西武園ゆうえんち」

来場者数が全盛期の4分の1まで減ってしまった「西武園ゆうえんち」

 今年、開業から70年を迎える「西武園ゆうえんち」(埼玉県所沢市)。大観覧車や波のプールなどが人気となり、ピーク時の1988年度には約194万人の来場者数を誇ったが、近年は施設の老朽化や消費者ニーズの変化などに対応できず、2018年度は全盛期のおよそ4分の1の49万人まで来場者数を減らしてしまった。

 そんな窮地に陥った遊園地を蘇らせるべく、“ブランド再生請負人”ともいうべき男が立ち上がった。

「彼は日本ナンバーワンのマーケットクリエーター。私もずっと会いたいと思っていて、2年前に実現した。彼の持っているいろいろな知見やノウハウを、ぜひ西武グループ内に注入したいと思った」

 長らく西武グループを率いてきた総帥、後藤高志氏(70/西武ホールディングス社長)もここまで全幅の信頼を寄せ、同遊園地の全面的なリニューアルを一手に任せたのが、マーケティング支援会社「刀」の代表取締役CEOである森岡毅氏(47)だ。

 いったい、森岡氏とはどんな人物なのか。

「神戸大学経営学部を卒業後、米日用品大手のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)でマーケィング業務に携わり、ヘアケア商品のシェアを飛躍的に高めた。

 彼の名を一躍有名にしたのは、大阪にあるテーマパークUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)の再建。2010年6月に企画担当の責任者として招かれた森岡氏は、後ろ向きに走るジェットコースターや、映画『ハリー・ポッター』のエリアを新設して次々とヒット。来場者数を700万人から1400万人と倍増させ、“すご腕のマーケッター”として広く知られるようになった」(経済誌記者)

 USJ退任後、前出の「刀」を設立した森岡氏が次に手掛けたのが、トリドールホールディングスが運営するうどんチェーン「丸亀製麺」の立て直しだった。2018年、既存店の客数減が続いて危機感を募らせていたトリドール社の粟田貴也社長が、森岡氏に白羽の矢を立てたのである。

「森岡氏は、全店に製麺所を持ち“出来たての感動を届ける”という丸亀製麺のこだわりがまったく消費者に知られていなかったことに目をつけ、『ここのうどんは、生きている。』という、いわば同社の哲学的なテレビCMを打った。そして、来店客に継続的に好まれる商品開発や店舗オペレーションなどを並行して行った結果、16か月連続でマイナスだった客数が増加に転じた」(前出・経済誌記者)

関連記事

トピックス

エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
グラビアから女優までこなすマルチタレントとして一世を風靡した安田美沙子(本人インスタグラム)
《過去に独立トラブルの安田美沙子》前事務所ホームページから「訴訟が係属中」メッセージが3年ぶりに削除されていた【双方を直撃】
NEWSポストセブン
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
阿部詩は過度に着飾らず、“自分らしさ”を表現する服装が上手との見方も(本人のインスタグラムより)
柔道・阿部詩、メディア露出が増えてファッションへの意識が変化 インスタのフォロワー30万人超えで「モデルでも金」に期待
週刊ポスト
昨秋からはオーストラリアを拠点に練習を重ねてきた池江璃花子(時事通信フォト)
【パリ五輪でのメダル獲得に向けて】池江璃花子、オーストラリア生活を支える相方は元“長友佑都の専属シェフ”
週刊ポスト
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
NEWSポストセブン