森岡氏がイメージする西武園ゆうえんちのリニューアル後
そこで森岡氏が西武園ゆうえんちの再生でキーワードに掲げた秘策が、「古さを逆手に取る」ことだった。詳細なリニューアル概要については、まだ試行錯誤中とのことだが、こんな完成形を頭に抱いているという。
「確かに西武園ゆうえんちの中を見ると、現代の最新テクノロジーとは程遠いアンティークに近い遊具もたくさんありますが、今まで培ってきた良さを活かして、どこか懐かしい風景や人情味溢れた場所をつくれないかと。そんな、心あたたまる幸福感を生み出す“発生装置”としての仕掛けをいろいろ考えています」(森岡氏)
ずばり、1960年代の日本をイメージしているとのことだが、「決して昭和のテーマパークではなく、10代~20代の若者にも喜んでもらえる遊園地にする」とも。
どんなブランド再生も「成功確率」を見極めながらやると話す森岡氏。では、西武園ゆうえんちリニューアル後の成果は、どの程度の数値目標を想定しているのだろうか。
「来場者目標は事業の持続可能性が担保できるレベル。それは現在の49万人から数パーセント、数十パーセント増えるだけの域にはありません。100億円投資して1割お客さんが増えても回収できないことは、いろいろな数字を弾けばすぐに分かること。そのくらいの覚悟を持ってやります」
西武園ゆうえんちのリニューアル完成予定は2021年──。果たして森岡氏は面目躍如通り、V字回復を成し遂げることができるか。