ライフ

難聴は大きく分けて2つのタイプ 回復するものとしないもの

治る難聴、治らない難聴の差は

 ここ数年で一気に耳が遠くなったというAさん(75)は、思わぬ事態に見舞われた。Aさんの長女が振り返る。

「階段を上ろうとしていた父を呼び止めようと、後ろから声をかけたのですが気づいてくれない。そこで、後ろから父の肩に“ちょんちょん”と手をかけたら、突然のことに驚いたようで手すりを離して転倒してしまった。手のつき方が悪くて手首の骨が折れてしまっていました」

 介護施設で暮らすBさん(80)は、難聴で周りの人とコミュニケーションがとりにくくなった。並行して、認知症が進み始めたと、この介護施設の職員が語る。

「入所された当初は周りの人たちと仲良くなろうとしていたのですが、いつも大きな声で『えっ、何』『今、なんて言ったの』と聞き返すものだから、少しずつ周りの人たちと距離ができていったんです。

 するとそのうち、どんなふうに話しかけても『うんうん』と適当に返事をするようになった。会話の輪にも入っていかなくなり、一人で閉じこもりがちになってしまった。それとともに、物忘れなど認知症の症状が頻繁にみられるようになったのです」

 このように難聴が様々な疾患や事故につながっていくケースは少なくない。聴力の低下は「認知症」「うつ病」「感染症」を発症するリスクを高める。さらには、「心疾患」とも密接な関係があるといわれている。

 2012年に米国とカナダの医療機関が、18歳以上の1万2375人の男女を対象として行なった健康調査がある。それによれば、難聴を患っている人とそうでない人の死亡率を比較したところ、難聴者のほうが有意に高いという結果が明らかになっている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
グラビアから女優までこなすマルチタレントとして一世を風靡した安田美沙子(本人インスタグラム)
《過去に独立トラブルの安田美沙子》前事務所ホームページから「訴訟が係属中」メッセージが3年ぶりに削除されていた【双方を直撃】
NEWSポストセブン
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
阿部詩は過度に着飾らず、“自分らしさ”を表現する服装が上手との見方も(本人のインスタグラムより)
柔道・阿部詩、メディア露出が増えてファッションへの意識が変化 インスタのフォロワー30万人超えで「モデルでも金」に期待
週刊ポスト
昨秋からはオーストラリアを拠点に練習を重ねてきた池江璃花子(時事通信フォト)
【パリ五輪でのメダル獲得に向けて】池江璃花子、オーストラリア生活を支える相方は元“長友佑都の専属シェフ”
週刊ポスト
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
NEWSポストセブン