芸能

お化け番組『番頭はん』『てなもんや』生放送で一発撮りの奇跡

大村崑氏は丁稚役で大人気に(時事通信フォト)

 新型コロナウイルスの感染拡大にともない、各局のバラエティ番組が軒並み収録中止となり、過去の総集編を流す状態が続いているが、こんな時に懐かしくなるのは、お笑いの本場・関西発の「伝説のバラエティ番組」の数々だ。1950年代から1960年代にかけては、関西局制作のバラエティ番組は生放送でお茶の間を沸かせた。

 横山エンタツが主役の『ダイハツコメディ やりくりアパート』(1958~1960年、大阪テレビ放送、現・朝日放送制作)、最高視聴率62.3%を記録した『番頭はんと丁稚どん』(1959~1961年、毎日放送)からはじまる丁稚(でっち)どんシリーズ、あんかけの時次郎(藤田まこと)と小坊主の珍念(白木みのる)の珍道中という設定の『てなもんや三度笠』(1962~1968年、朝日放送)も最高視聴率64.8%を記録し“お化け番組”と呼ばれた。

 これらの番組の特徴は、生放送ならではの熱気だった。『てなもんや』では収録もあったが、当時の技術では編集できず、一発撮りだったという。『てなもんや』のプロデューサーを務めた澤田隆治氏(87)が言う。

「『番頭はん』や『てなもんや』の“ストーリーがあるコメディを、お客さんを入れて、客席の笑いとともに見せる”というスタイルは、上方コメディの特徴となり、関西発で全国ネットにも受け入れられました」

 丁稚役で全国的な人気者となった大村崑氏(88)は「今のお笑いでは再現できない部分があった」と語る。

「当時は脚本の花登筺先生から『お前は俳優やない、体優(たいゆう)や。体を張ってやれ』と言われ、稽古から必死でした。稽古で台本にないアドリブを入れて、監督の顔色を見る。板の上の修行で鍛えられました。そうした経験がないから、今の芸人は“使い捨てライター”のように数年で消えてしまうのではないか」

※週刊ポスト2020年6月5日号

関連記事

トピックス

12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
スポーツアナ時代の激闘の日々を振り返る(左から中井美穂アナ、関谷亜矢子アナ、安藤幸代アナ)
《中井美穂アナ×関谷亜矢子アナ×安藤幸代アナ》女性スポーツアナが振り返る“男性社会”での日々「素人っぽさがウケる時代」「カメラマンが私の頭を三脚代わりに…」
週刊ポスト
NBAロサンゼルス・レイカーズの試合を観戦した大谷翔平と真美子さん(NBA Japan公式Xより)
《大谷翔平がバスケ観戦デート》「話しやすい人だ…」真美子さん兄からも好印象 “LINEグループ”を活用して深まる交流
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「服装がオードリー・ヘプバーンのパクリだ」尹錫悦大統領の美人妻・金建希氏の存在が政権のアキレス腱に 「韓国を整形の国だと広報するのか」との批判も
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《私には帰る場所がない》ライブ前の入浴中に突然...中山美穂さん(享年54)が母子家庭で過ごした知られざる幼少期「台所の砂糖を食べて空腹をしのいだ」
NEWSポストセブン
亡くなった小倉智昭さん(時事通信フォト)
《小倉智昭さん死去》「でも結婚できてよかった」溺愛した菊川怜の離婚を見届け天国へ、“芸能界の父”失い憔悴「もっと一緒にいて欲しかった」
NEWSポストセブン
再婚
女子ゴルフ・古閑美保「42才でのおめでた再婚」していた お相手は“元夫の親友”、所属事務所も入籍と出産を認める
NEWSポストセブン
54歳という若さで天国に旅立った中山美穂さん
【入浴中に不慮の事故】「体の一部がもぎ取られる」「誰より会いたい」急逝・中山美穂さん(享年54)がSNSに心境を吐露していた“世界中の誰より愛した人”への想い
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《真美子さんのバースデー》大谷翔平の “気を遣わせないプレゼント” 新妻の「実用的なものがいい」リクエストに…昨年は“1000億円超のサプライズ”
NEWSポストセブン