国際情報

中国軍が空母を含む陸海空軍の大規模演習を南シナ海で実施へ

歴史ある銭湯が危機に

中国軍が大規模演習

 中国人民解放軍は今年夏、国産第1号の航空母艦「山東」と中国軍初の空母である「遼寧」のいずれかを中心とする陸海空軍合同の大規模軍事演習を海南島沖の南シナ海で実施することを明らかにした。南シナ海の覇権をかけた、米軍との戦いを前提とした演習で、台湾侵攻作戦も演習の目的の一つとなっている。香港の英字紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』が北京の中国軍事筋の話として報じた。

 一部には「中国軍が8月に海南島沖の南シナ海で、台湾が実効支配する東沙諸島の奪取を想定した大規模な上陸演習を計画している」と報じるメディアもある。たが、同筋はサウス紙に対して、「中国軍は南シナ海で8つの人工島を建設し、軍事基地化しており、中国軍にとって東沙諸島は地政学的な重要性はない。演習の目的はあくまでも米軍に対抗するためだ」と指摘している。

 中国軍は今年5月、渤海湾で陸海空3軍の合同軍事演習を実施したが、8月の海南島沖での訓練の目的はなにか。それは戦闘機や軍艦、ミサイルなどのすべての軍事兵器の海洋での破壊力をテストし、熱帯海域での戦闘準備と戦闘能力を試すことだという。想定しているのは台湾侵攻作戦とともに、南シナ海で遭遇した米空母打撃群との戦闘だ。

 訓練に参加する中国軍部隊は南シナ海上で台湾が実効支配する東沙諸島の近海を通過するが、中国軍の狙いは東沙諸島ではないとみられる。なぜならば、東沙諸島に駐留する台湾軍はわずか200人なので、中国軍が「山東」などの空母打撃群を擁してまで、このような小さな島を奪取する意味がないからだ。

 それに、同諸島の台湾軍には戦闘機すら配備しておらず、中国軍が本気で東沙諸島を攻撃しようと思えば、いつでも台湾軍を全滅に追い込むことができるからだという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
グラビアから女優までこなすマルチタレントとして一世を風靡した安田美沙子(本人インスタグラム)
《過去に独立トラブルの安田美沙子》前事務所ホームページから「訴訟が係属中」メッセージが3年ぶりに削除されていた【双方を直撃】
NEWSポストセブン
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
阿部詩は過度に着飾らず、“自分らしさ”を表現する服装が上手との見方も(本人のインスタグラムより)
柔道・阿部詩、メディア露出が増えてファッションへの意識が変化 インスタのフォロワー30万人超えで「モデルでも金」に期待
週刊ポスト
昨秋からはオーストラリアを拠点に練習を重ねてきた池江璃花子(時事通信フォト)
【パリ五輪でのメダル獲得に向けて】池江璃花子、オーストラリア生活を支える相方は元“長友佑都の専属シェフ”
週刊ポスト
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
NEWSポストセブン