新しい生活様式に、なかなか慣れない人たちもいる(時事通信フォト)
「通販の荷物だったのですが、宛名にあるご注文主様のご希望だといってもなかなか理解してもらえず、荷物を盗まれたらどうするのだ、仕事をサボっているのではないかと一方的に言われ続けました。結局営業所の上司が謝罪に行きましたが、荷物の宛先にあたるご本人様がご帰宅されてやっと事態が収まりました」(山中さん)
クレームは「家族」は50代くらいの女性だったという。筆者は何も、中高年をこき下ろしたいわけではないが、やはりこの類のトラブルは男女を問わず、中高年によって引き起こされているパターンが多いのが現実。世間の流れに疎いのか、知っていても受け入れたくないのか、全く別な理由があるのか……。環境保護を目的に、スーパーなどではレジ袋の有料化が7月1日からスタートする。すでに小売店の多くでレジ袋の有料化が導入され、客には「エコバッグ」の持参を求めているが、ここでもトラブルが置きていた。
「店では数ヶ月前からレジ袋を有料化しており、約半数のお客様はマイバッグを使われています。ただ、中には今まで無料だったのになぜ金がかかるのか、レジ袋が2円とか4円するなんておかしい、とレジで食い下がってくるお客様も……。理解していただけない場合は、レジ係の判断でレジ袋を無償でお渡ししていますが……」
都内のスーパーに勤務するパートタイマーの高橋美佐恵さん(仮名・40代)によれば、こうした客の大半はやはり中高年。そのほとんどが「知らなかった」とか「聞いていない」といって怒り出すという。
「こちら側の指摘の仕方によってもだいぶ変わるとは思いますが、すでに多くのお客様が理解をされている中で、レジ袋の有料化をいちいち説明していては時間がいくらあっても足りません。お金かかるの? と若い男性客が驚かれることはありますが、大半は理解していただけるのですが……。レジ袋の件で怒りだすと、商品をそのまま置いて帰ってしまったり、無料のビニール袋を何十枚も鷲掴みして、商品を無理やり詰め込んでいく方もいらっしゃいます」(高橋さん)
「知らないこと」を指摘された事について恥ずかしく思い、逆上して言い返しトラブルに発展する、というパターンがほとんどだという。そのほとんどは「ああそうですか」で済む問題な気もするが……。
「新しい生活様式」により、私たちの日常生活が新たな制約や決まりの基に再スタートしている。しかし「新しいルール」がどうしても受け入れられず、従えない人たちの存在によって、日常生活でのトラブルは今後も増え続けるはずだ。