スポーツ

若者に人気のカバディ、練習中の「カバディ連呼」が禁止に

カバディはイメージよりずっとハードなスポーツだ(写真/AFP=時事)

 新型コロナの感染拡大は、スポーツの現場にも大きな影響を与えている。各競技団体は感染防止のためのガイドラインを発表。感染予防と競技の両立が簡単でないこともある。全日本空手連盟が、試合や練習で技を放つ際の「気合の声出し」をしないように求めるガイドラインを策定したことが話題となった。だが、「声出し」がより競技の本質的な部分とかかわる場合もある。それが、アジア大会でも正式種目となっている「カバディ」だ。

 日本でもいま、若者を中心にカバディ人気が高まりつつある。きっかけは、7月にアニメ化も発表された漫画『灼熱カバディ』(小学館刊)だ。高校生の主人公がカバディ部の仲間たちと共に、カバディに青春を捧げる熱きスポーツ漫画である。

 カバディは紀元前のインドを発祥とし、南アジアを中心に広くプレーされる。日本でこそ愛好者は4000人程度とされるが、全世界での競技人口は1000万人を超えると言われている。詳しいルールこそ知らなくとも「カバディ、カバディ、カバディ……」と言い続けるスポーツと認識している人もいるだろう。

 このスポーツは、おおまかにいえば「チーム制の鬼ごっこ」に喩えられることが多い。2チームが順番に攻撃し、攻撃を行う者(レイダー)が守備側の陣地に侵入し、メンバーの体を触って自陣まで戻ることで得点を得るのだが、その際レイダーは息継ぎすることなく絶えず「カバディ」と言い続けなければいけないルールなのだ。これは「キャント」と呼ばれる。「息が続いている時間=攻撃の制限時間」というわけだ。

 ブーム到来が予感されるタイミングでのコロナ禍。「キャント」による飛沫感染のリスクに選手たちは悩まされているのだろうか。SNSを検索すると高校生のカバディ同好会の選手が「練習でキャントを禁止にしている」という投稿もあった。

 新型コロナによってカバディから「カバディ」が消えてしまったのか。カバディ男子日本代表として2010年アジア大会(広州)で銅メダルを獲得した経験もある、日本カバディ協会事務局長の河合陽児氏がこう答える。

「協会では、競技者に向けて『新型コロナウイルス感染症対策に伴うカバディ活動再開ガイドライン』を公開しています。そこでは『緊急事態宣言下では、キャントを伴う練習はしないように』としています。

 実は、近年のルール変更で攻撃時間が『30秒以内』と定められました。昔はキャントができる時間が攻撃時間だったんですが、いまはそれほど重視されていません。コロナ禍の中での感染リスクを鑑みれば、練習ではキャントをしなくても問題はないのです」

関連記事

トピックス

現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン